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まつげ(英: eyelash)は、まぶた(眼瞼)の端に生える体毛。日本語の表記にはまつ毛、睫、睫毛などがある。
まつげは眉毛とともに目の周辺に特に発達した体毛である。(眉毛は人(※生物学ではカタカナでヒトと記すのが正しい。)に独特のものではあるが)まつげのほうは、さまざまな哺乳類に生えており、さらにそれ以外の動物でもまつげがあるものがある。
一般的な体毛より太くて長さがそろっており、上下の眼瞼に3〜4列の幅をもって生えている毛で、上眼瞼の方が下眼瞼よりも長い。
睫毛には埃などの異物が目の中に入るのを防ぐ機能があり、上側がより発達するのもこの機能に関連していると考えられている。また(洞毛と同様に)神経系は まつげへのものの接触を感知し反射で眼瞼を閉じるなどの行動が引き起こされる。これは眼球を守るのに役立っている。
睫毛の長さは頭髪にくらべてかなり短いが、これはその成長期間が頭髪よりも短いためである[1]。
上睫毛はそりかえるように曲がる性質がある[1]。 上睫毛は胎児が9週目の段階で生え始め、遅れて下睫毛が生え始める[1]。[2] 上まつげは4~5の(不完全な)列で成長し、下まつげは2~3列で成長する[1]。上まつげの本数の平均値は300~400本で、下まつげは100~150本である[1]。上まつげは、10~20本ごとに三角形状の(毛根の)グループをなす。下まつげは下方に、まるで滝のように伸びる[1]。
上睫毛は上方に伸び、曲がり、下睫毛よりも色が濃く、長く、密度が高い[1]。下睫毛は上睫毛よりも細く軽く、まばらである[1]。上睫毛と下睫毛の双方は、まぶたが閉じられた時に、互いに絡まったりしないような位置関係になっている[1]。
睫毛の長さは、一般に上睫毛が8~12mmで、下睫毛は6~8mmである[1]。睫毛の成長期間は34 ∓ 9日(つまり人により異なり、平均で34日程度、短くて25日、長くて44日程度の範囲)であり、生え換わり周期は90∓ 5 日(85~95日程度)である[1]。一日に伸びる長さは平均で0.12 ∓ 0.05 mm(0.07~0.17mm程度)[1]。
睫毛の長さの2016年時点でのギネス世界記録は12.4cmで、中国の女性が得たものである[3]。
色は髪の毛の色と必ずしも同一とはいえず、髪の毛よりもやや明るめの色になる傾向がある。
まつげに関する疾病等には主に次のようなものがある。
すべての文化に共通とはいえないものの、まつげが長いことが「女性らしさ」とされる文化は多く、人為的に長くまたは多く見せたい傾向があり、化粧もそれを目指すものが大半である。まつげを彩る化粧の発祥は青銅器時代にまで遡り、その時代にはコール(kohl)と呼ばれるマスカラの一種がすでにあった。
まつげの強調は目の強調とほぼ目的を同じにしており、マスカラ、アイシャドー、アイライナーなどと組み合わせることによって総合的にアイメイクと呼ばれる。20世紀にはつけまつげがポピュラーになり、1960年代にそのブームはピークを迎えた。近年ではまつげを太く長く丈夫にする効果が期待できるという「まつげ美容液」とカテゴライズされる商品も市場に出回り始めた。
補助的な器具としてはアイラッシュカーラーという、まつげをはさんでカールさせ上方に先端を持っていくことであたかも目が大きいかのように見せ、マスカラのノリを良くする化粧道具がある[10]。
いわゆる化粧の範疇からは外れるが、「まつ毛エクステンション」(「まつ毛エクステ」、「まつげエクステ」と略される場合もある)と呼ばれる、自前のまつげに人工毛などを装着し長さや数を増やす方法もある。もともとは髪の毛の技術であったパーマネントウエーブを施す方法もあるほか、植毛を美容整形として行う技術もある。
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