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『うえはぁす 〜お姫様は今日も危険でした〜』(うえはぁす おひめさまはきょうもきけんでした)は、ソフトハウスキャラが製作、2000年9月22日に発売したアダルトゲームである。
アダルトシミュレーションゲーム専門ブランドで知られるソフトハウスキャラによる第2作にあたる。本作は、逃走劇をメインの題材としており、追手に捕まることなく目的の町村を目指して進むというゲーム内容となっている。一見寄り道的に見える「クリスのよけいな知識」を獲得しないと、クリスとのアダルトパートがほとんど出現しない点、目的町村への到達ターン数で攻略対象キャラクターへの攻略への道が開かれる点など、アドベンチャーパート以外の様々な要因を含めた条件によってエンディングが決定されるシステム構成となっている。
なお、本作のメインキャラクターであるエリオットとクリスは、同ブランドから発売されている後発作品『ダンシング・クレイジーズ』にも登場している。
作品舞台は欧州にあるゴースティアル王国。いたって平和で、治安はよく、税金は低く、土地も安いという、住むにはいいところである。エビの養殖と輸出で知られている。
主人公エリオットは、つい先日、会社を首になったところ。王国では、王国の認める会社で一定期間働くことで永住権を獲得できることになっており、もう少しで永住権を獲得できる後一歩のところでの退職であった。
主人公が社宅を追い出され、今や自宅代わりでもある愛車のパンクを修理しているとき、一人の女性がマルヒローに乗せて行ってほしいと頼んでくる。まるで結婚式から抜け出してきたかのようなドレス姿の女性を見て、面倒ごとは御免と断る主人公であったが、銃で脅され、結局乗せて行くこととなった。
その後、彼女が王国の第1王女クリスであること、結婚相手が40歳を越える大臣であることを理由に逃げ出してきたことを知った主人公は、彼女と正式に契約し、永住権の取得と就職の斡旋(彼女専属の運転手)を条件に、彼女の希望する場所に彼女を送ることとなった。
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本ゲームは、大きくシミュレーションパートとアドベンチャーパートに分かれている。メインパートはシミュレーションパートとなっており、シミュレーションパートの目的地の提示や、発生したイベントなどがアドベンチャーパートで表現されている。アドベンチャーパートには、選択肢分岐も設けられており、それによってもシナリオのクリア条件に影響を与えている。ゲームエンジンには、同ブランドの定番システムであるSystemAoiが用いられている。
シミュレーションパートは、町村がマス形式で配置され、各町村の間に通路が引かれた地図形式の構成となっている。この構成地図上で、プレイヤーターンと敵ターンで交互にお互いの行動を決定し、プレイヤーが最終目的地となる町村を目指すという内容となっている。
プレイヤーターンでは、初期3枚、ターンごとに1枚の追加カードが与えられ、そのカードに示された効果を使うことで、地図上の移動、自ユニットの行動補助、敵ユニットの行動妨害などを行っていくことになる。1枚のカードには上部に移動系の効果、下部に行動補助系や妨害系の効果が記されており、どちらか一方のみを発動することが可能(発動後、他方の効果は発動せずにカードは消滅)となっている。カードは最大で5枚までストック可能であり、5枚溜まった状態で使用せずに自ターンを抜けると、5枚の中から不要カードを選択して廃棄するという操作系となっている。1ターンで2枚以上使用することも可能であるが、移動系の効果は1ターンあたり1枚のみ、妨害系の効果は同じ敵ユニットには1枚のみという制約が設けられている。カードに記されている効果は以下の通りである。
カード上部の名称 | 効果 |
---|---|
マス数 | 1、2、3、1 - 2、2 - 3、ALMIGHTY(1 - 3のいずれもOK)のいずれかのかたちで、移動可能マス数を示す。なお、2 - 3マスのカードで1マスのみの移動ということは行えない。目的地にちょうどのマス数でなければ通り越してしまうこととなる。また、3マスは「1マス進み、1マス戻り、もう一度1マス進む」とは解釈されない。 |
GO / BREAK | マス数に後続して示され、BREAKは敵ユニットを乗り越えて移動可能、GOは乗り越え移動不可であることを示す。 |
カード下部の名称 | 効果 |
---|---|
ALL STOP | 全敵ユニットを1ターン行動禁止にする。 |
STOP | 指定した敵1ユニットを1ターン行動禁止にする。 |
CONTROL | 指定した敵1ユニットを強制的に1マス移動させる。 |
ATTACK | 指定した敵1ユニットを攻撃し、3ターン行動不能にする。 |
BYROAD | カードの移動系効果を発動させる前に使用することで、直後のプレイヤーターンに限り、隠し通路を使用可能にする。カード発動の際には事前に隠し通路が表示され、効果的な通路でない場合には発動をキャンセルすることも可能である(その場合にはカードは消費されない)。 |
SHUT | プレイヤーのいるコマに隣接する通路のいずれか1つを封鎖する。1ターン後に封鎖は解除される。 |
GO HOME | 敵1ユニットを本拠地に強制的に移動させる。 |
CLOSE | 通路は「高速道路」「国道」「州営道路」「街道」「私道」に分類されており、このうち1種類の通路を1ターン封鎖する。 |
この他に特殊なカードとして「ロボ吉カード」がある。マス移動に使うことは出来ず、マップ上のランダムな地点に移動する効果を持つ。また使用時に専用のCGが表示される。
なお、特定の面では通路にパイロンが置かれている箇所があり、その面ではその通路は通行止め扱いとなる。
敵ユニットは1マス移動のものが多いが、後半になるにつれ2マス移動を行うものが増えるほか、SHUTを仕掛ける敵ユニットも登場する。なお、プレイヤーは隣接通路のみにSHUTを仕掛けることが可能であるが、敵ユニットはそのような制限は設けられていない。
自ユニットが条件を満たした状態で最終目的地以外の特定のマスに止まった場合(通過では条件を満たさない)、条件に応じたイベントが発生する。大きくは以下に分けられる。
自ユニットと敵ユニット(但し、行動不能の敵ユニットを除く)が同じマスになった場合、敵ユニットに見つけられてしまった扱いとなる。一部の大将格の敵ユニットに見つかった場合は即座にゲームオーバーとなるが、大半の敵ユニットに関して言えば、必ずしも即座にゲームオーバーとなるわけではない。ゲームオーバーとならなかった場合は、INFORMATION画面(ステータス表示画面、後述)の左上部に表示される勲章マークの数が1減算され、敵ユニットは敵の本拠地にあたるマスに移動して、ゲーム継続となる。同じ種類の敵に一定回数以上捕まると、その場合もゲームオーバーとなる。
プレイヤーの状態は、INFORMATION画面にて確認することが可能となっている。
話の展開は「第1話」などの形式で示され、各話は1つあるいはいくつかの目的地への移動で構成される。
話 | サブタイトル | 目的 | 備考 |
---|---|---|---|
プロローグ | 拳銃を突きつけて - A Violent Revolution - | 目的なしの風来坊さ → マルヒロー | クリス姫と合流し、第1目的地マルヒローに到着するまでの物語 |
第1話 | ドレスを脱いだお姫様 - Family Violence - | マルヒロー → カリオレクシー → エレンナ | リゼット姫と遭遇し、本当の結婚相手が誰であるか判るまでの物語 |
第2話 | いつまでもあると思うな - The Earth Round - | エレンナ → レジェロ → コロラチェラ → キンバリー → レジェロ → 賞金稼ぎ姉弟 | 資金稼ぎ姉弟に所持金を奪われ、回収するまでの物語 |
第3話 | 食い逃げ - Mysterious World - | レジェロ → チーネス → 本物のロボ吉 | ロボ吉との遭遇までの物語 |
第4話 | 全てを知っている - Ambitious Princess - | チーネス → エレンナ → カリオレクシー → レジェロ(強制移動) | |
第5話 | 過去が強くなって帰って来た - Ahrodite With Fear - | レジェロ → ヤレット → ブランドン | |
第6話 | お前だ - Kingship - | ブランドン → コロラチェラ | |
第7話 | 野望に捧ぐ - Varied Life - | コロラチェラ → アイヤイネ |
本作の特定条件でのクリア後(中途ゲームオーバー以外でのクリアであれば、バッドエンドでも構わない)、タイトル画面のおまけへのボタンが出現し、その中でCGモードや音楽モードなどと並んで、以下のミニゲームが使用可能となる。
本作の序盤で、クリスがゴードン大臣の部屋から持ち出したアイテムの中に、重要なアイテムが入っていることが示される。そのアイテムは、ゴードン大臣がクラッススから預かった「白い石」を隠しておいたアイテムであり、騒動は単に結婚騒動に止まらず、クラッススの所属するマフィアが介入する大騒動になった。この「白い石」とはこの地方で採掘されるゴースティアル鉱の一種で、白色のものである。世間一般には、ガラスよりも少しエネルギー価値のある程度の鉱石としか見られていないが、一部の人にはより重要な意味を持っていた。同じように、重要なゴースティアル鉱は他にも、青、赤、緑とあり、白を合わせて計4種類が存在する。
クリス姫は、リゼット姫と遭遇し、結婚相手の真相を知ってからも、しばらくこの家出を楽しもうと言って、王国の各地を訪問する。それは、今回の家出を兼ねて、過去に失踪した父が路銀を得るために売ったゴースティアル鉱を探して各地のアイテムショップを回るためであり、その途中で「青い石」を入手する。
マフィアは、これらの鉱石が不老不死の効果を持っていると知っており、その効果を得るためにそれらの鉱石と、鉱石の力を引き出す力を持つ王家の純潔な血(王家の長女のみに伝わるといわれる)を得ようと試みる。そして、クリスの血を入手しようと考える。
クリスの信頼していた第1親衛隊の隊長シュターデンは、マフィアに協力しながらも、石の別の使い道、核に匹敵するエネルギーの抽出方法を知り、マフィアを出し抜けないかと画策する。
こういった様々な登場キャラクターの思惑が交錯しながら、石の争奪戦が進んでいくこととなる。
上記の設定とは別に、ゲーム中で4色の石を全て集めていると各エンディングで隠しエピソードが追加される。
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