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カンザキイオリのボーカロイド曲・小説 ウィキペディアから
『あの夏が飽和する。』(あのなつがほうわする。)は、VOCALOIDの鏡音リン・レンを使用してボカロPのカンザキイオリが作詞・作曲を行ったボーカロイド曲[1]、およびそれを原作とする同氏の書籍[2]である。
同曲の原曲は2021年1月現在、2018年8月12日にニコニコ動画で公開された動画では125万回以上[3]、2018年8月12日にYouTubeで公開された動画では250万回以上[4]、2020年9月18日にYouTubeで公開された2020ver.では100万回以上[5]再生されている。また、カバー曲としては2021年1月現在880万回以上再生されているまふまふの動画[6]、130万回以上再生されている花譜の動画[7]などが挙げられる。
同曲は『命に嫌われている。』などと共にカンザキイオリの代表曲として知られており[8]、2020年にはEP『人生はコメディ』に収録されている[9]。
また、同曲の続編に当たる『死ぬとき死ねばいい』や『人生はコメディ』の2曲は同作品の登場人物の人間性を表す作品となっており、同作品と合わせて「あの夏」三部作と呼ばれることがある[10][11]。
同曲は投稿の数年前の冬に完成した後、インディーズアルバムに収録する曲にするために改変を重ねて2018年8月に投稿された物語調の曲で、曲中の物語は作者のカンザキイオリが中学3年生の夏ごろに自殺未遂を起こしたのちに隣の県まで家出をした際の実体験を元に書かれている[12]。
LINE MUSIC公式アカウントで行われた「聴くと泣けてくる、“涙曲”」のランキングでは81位にランクインしている[13]。
同曲は2020年9月18日に同名の書籍として河出書房新社のレーベルから発売されている[14]。同書籍は、ボカロP・カンザキイオリの小説デビュー作にあたる作品となっている[15]。
同書籍は、流花が自ら命を絶った楽曲『あの夏が飽和する。』の世界から13年が経ち、無気力なまま大人となった千尋を主人公として、流花の生き写しの高校生・瑠花とバイト仲間の武命を救うための闘争を描いている[11][16]。
また、同曲が書籍化されるにあたって、初回購入特典として入野自由と茅野愛衣の小説冒頭の朗読音源が、無期限の購入特典として同小説の元となった3つの楽曲『あの夏が飽和する。』『死ぬとき死ねばいい』『人生はコメディ』がついている[17]。
同書は未来屋書店では「文芸・文庫」のランキングで3位に入った他、発売6日で重版が決定している[18]。2020年9月時点での発行部数は6万部を[19]、2021年11月時点での累計売上は11万部を突破している[20]。入野自由、茅野愛衣、梶裕貴がクライマックスを朗読をしている[21]。
2021年10月には、漫画家の武富智によって『月刊コミック電撃大王』(KADOKAWA)にて、漫画版の連載が始まることが発表され[22]、2022年10月号から連載中。
2023年2月10日には、15万部を突破し、更に重番を決定した。
2023年2月25日には、武富智によるコミックス1巻を発売した。
著者のカンザキイオリによれば、小説版は登場人物同士の繋がりにミステリー要素を混ぜた作品にしたいと考えて執筆したと話している[23]。
ライターの飯田一史は、小説版『あの夏が飽和する。』は「キャラクター小説」よりは「一般文芸」に近いと評した他、「後味の悪い終わり方はしないが、カタルシスがある」と評している[24]。
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