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Zマシン
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この項目では、核融合実験装置/X線発生装置について説明しています。仮想機械については「Z-machine」をご覧ください。 |
Zマシン(英: Z machine)は、アメリカ合衆国のサンディア国立研究所が保有する核融合実験装置であり、2016年には世界最強のX線発生装置でもある。世界各国で行われている核融合研究の主流とは大きく異なる、Zピンチと呼ばれる物理現象を利用した実験装置であり、これによって発生させた強力なX線で物質を爆縮し、熱核兵器の内部と同程度の極度に高温、高圧の条件を作り出すことができる。この方法により、2003年3月には重水素燃料のみで核融合を達成している[1]。
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この装置はサンディア研究所のパルスパワープログラム (Pulsed Power Program)の一環を成し、その最終目的は慣性閉じ込め方式核融合(Inertial Confinement Fusion : ICF)プラントの可能性の実証とされているが、米国の核兵器備蓄性能維持計画(Stockpile Stewardship Program)[2][3]の一環として、2006年から2007年にかけての大がかりな改造においてはエネルギー省(DOE)傘下の国家核安全保障局 (NNSA : Stockpile Stewardship Program を実行するために2000年に新設された機関)から多額の資金供給を受けている。
改造後はNNSAの下で臨界前核実験(Subcritical Experiment)を補完するための実験装置としても利用されており、2010年11月には最初の少量プルトニウム実験を実施して物議を醸している(この実験は、マスメディアなどでは臨界前核実験とは区別して「新型核実験」と呼んでいる)[3][4] [5][6]。この実験は、判明しているだけで今までに12回実施されており(2014年11月の時点、最新のものは2014年10月3日実施)[7][8]、 NNSAの担当者は中国新聞の取材に対して「1回の実験で使用されるプルトニウムは8g以下」と答えている[9]。
2013年4月29日には、札幌市議会の金子快之議員がサンディア研究所を訪れ、Zマシンを見学している。案内した同研究所のパルスパワープログラムの責任者である Keith Matzen の「確かにプルトニウムの燃焼実験も毎日やっていますが、核兵器の開発とは全く関係ありません」「研究対象はプルトニウムだけではなく、あらゆる物質です」との説明に賛意を表し、「これは明らかに札幌市議会が抗議文を送るような施設ではありません。」との意見を表明している[10][11](札幌市はZマシンによる新型核実験に対して2012年10月3日にオバマ大統領への抗議決議を採択している[12])。
2014年4月5日に朝日新聞は、Zマシンの日本の報道機関への初公開を伝える記事において[13]、「研究所によると、実験では、X線は照射されず、核分裂反応も一切起きない。爆発に近い状態を再現しているわけではないという。」という証言を載せている。
Zマシンはニューメキシコ州アルバカーキのカートランド空軍基地内にあるサンディア研究所の Area IV (または Tech Area IV)と呼ばれる拠点地域の建物番号983北緯35.035451度 西経106.542522度 / 35.035451; -106.542522内に設置されている[14]。