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M4カービンは、コルト・ファイヤーアームズ社が開発したアサルトライフル(カービン)。
標準状態のM4A1カービン | |
M4カービン | |
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種類 | 軍用小銃 |
製造国 | アメリカ合衆国 |
設計・製造 |
|
仕様 | |
種別 | アサルトライフル、カービン |
口径 | 5.56 mm |
銃身長 | 368.3 mm |
ライフリング | 6条右転 |
使用弾薬 | 5.56x45mm NATO弾 |
装弾数 | 20発/30発(STANAG マガジン) |
作動方式 |
ダイレクト・インピンジメント方式 ロータリーボルト式 |
全長 | 850.9 mm |
重量 | 2,680 g(弾倉を除く) |
発射速度 | 700 - 900発/分 |
銃口初速 | 905 m/秒 |
有効射程 |
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歴史 | |
配備期間 | 1994年 - 現在 |
配備先 | アメリカ軍 |
1998年にアメリカ陸軍でM16A2の後継として、2015年にアメリカ海兵隊でM16A4の後継として採用され、現在ではアメリカ軍兵士の大半がM4を装備している。
M4はM16A2アサルトライフルの銃身長20インチを14.5インチに短縮したM16A2の直系の派生型であり、M16A2とは約80%の部品互換性を持つが、第二次世界大戦時のカービンであるM1/M2/M3系統の命名規則を継承しておりM4と命名された。M4は、初期のM16の小型版であり1960年代のベトナム戦争時に開発・使用されたXM177との類似点も多いが細部が異なっている。
M4はフルサイズのM16A2アサルトライフルと比べて小型軽量で取り回しや使用時の疲労の少なさが優れており、近接戦闘時 (CQB) や空挺降下時の使用に留まらず戦闘車両の乗員や将校、更には通常の軍隊や警察においても幅広く使用されるようになっていった。本来カービンとは騎兵銃のことを指したが、M1カービンのような銃器の成功により単に小型モデルの銃を指すこととなり、また現代ではM4よりさらに小型でありながらカービンを名乗らないアサルトライフルも多数あり現在では非常に曖昧な定義の言葉となっている。
現在、コルト社以外にも、M4カービンを制式化しているマレーシア軍向けにSME Ordnance社がライセンス生産しているなど、数社が自社ブランドで製造し、AR-15やSR-16といった名で販売している。
1980年代初頭、アメリカ軍は、歩兵用小銃をM16A1からM16A2に切り替えることを決定した。M16A2は、NATOの各国と標準化した新型の5.56mm弾(5.56x45mm NATO弾; SS109あるいはM855)に対応し、銃身が太くなったほか、フルオート射撃にかわって3点バースト射撃を導入するなど、変更点は少なくなかった。このことから、それまで使用されていたM16A1ベースのカービンとは別に、M16A2をベースとしたカービン・モデルとして開発されたのが「モデル723」(フルオート)および「モデル725」(3点バースト)である。
アメリカ軍は、特殊部隊向けにモデル723を少数発注した。また、1983年、カナダの旧ディマコはモデル725を「C8カービン」としてライセンス生産し、M16A2の小改正型(モデル715)であるC7小銃とともにカナダ軍に配備した。また、アラブ首長国連邦は、M16A2の太い銃身にM203グレネードランチャーを装着できるよう、銃身の一部を細くくびれさせたモデルを発注し、この「モデル727」は、アラブ首長国連邦の首都から「アブダビ・カービン」と通称された。
これらを踏まえて、アメリカ軍は1984年より、制式カービンの開発要求を行なっており、「モデル720」はその候補として「XM4カービン」として選定された。そして、1994年に、小改良を加えられた「モデル720」はM4カービンとして制式化された。また、キャリングハンドルを着脱式としてレシーバー上にピカティニー・レールを追加したモデルが開発され、「モデル920」(3点バースト)および「モデル921」(フルオート)として生産された。これらは順次、モデル720にかわってM4およびM4A1として納入された。
M4とM4A1はアメリカ陸軍、海兵隊、空軍の正式な主力小銃として採用されている。また、軍に残存しているM3サブマシンガン(これは主にM1戦車乗員の自衛用に装備されている)もM4に置き換えられる予定だという。M4はアッパーレシーバー上部にピカティニー・レールを介して装着するキャリングハンドルを備え、キャリングハンドルを光学照準器に置き換えることが出来る。ハンドガードはナイツアーマメント社 (KAC) のM4RASに交換可能でなおかつM4RASもピカティニー・レールを備え、こちらはAN/PEQ-15をはじめとする複合レーザーサイトモジュールを装着できる。また、細かな仕様変更としてフロントサイトにサイドスリングマウントが増設されている。
射撃障害が多かったアルミ製の従来の弾倉に代わり新しくマグプル社の樹脂製PMAG gen3弾倉の導入を決定した。現在、政府は全てのM4をヘビーバレル化、フルオート化、アンビセレクター化することを目指しておりヘビーバレルの製造をコルト社に、アンビセレクターの製造をManufacturing Support Industries社とOG Technologies社に依頼した。
なおアメリカ軍では、2013年からM4A1調達契約をコルト社より54%も安い金額を提示して落札したFNハースタル社からの購入に切り替え[1]、2020年にもFNハースタル社が再度契約を獲得した[2]。
余談としてRASハンドガードは、コルト社の「モデル925」をM4E2の制式名称で試験した際に装着していたハンドガードを量産したものであり、モデル925自体は廃盤になっている。
M4はアメリカ特殊作戦軍でも採用されており後述するSOPMODキットを装着したモデルが標準となっている(特殊作戦部隊では部隊や個人の裁量によってアクセサリー類の変更が許されているため必ずしもSOPMODキットを装着しているとは限らない)。
SOPMOD-II(Special Operations Peculiar Modification-II/特殊作戦用装備-2)用M4A1キットは、アメリカ特殊作戦軍により、その管轄下の部隊での運用のため開発された。現行のM4A1キットの特徴は、Daniel Defense社によって開発されたRIS (Rail Interface System) IIハンドガードシステム、KAC社製バックアップサイト、EOTech社製ホログラフィックサイト、ACOG (Advanced Combat Optical Gunsight)、ELCAN社製倍率可変スコープ、Insight Technology社製LA-5/PEQ(可視/赤外線レーザーサイト、赤外線イルミネーター)及びウェポンライト、Surefire社製サプレッサー、全長が短くなり迅速に着脱可能になったM203 グレネードランチャーと専用サイト、暗視装置、サーマルスコープなどである。このキットは配備から数年が経過しており改良後継型のSOPMOD-IIIが試用されている。
SURG(Suppressor Upper Receiver Group/サイレンサー一体型アッパーレシーバー)用M4A1キットもSOPMODキットと同じくアメリカ特殊作戦軍により採用された。名称の通りサイレンサーの使用による静音性能の向上が図られている。また、銃本体の使用による熱がサーマルサイトの使用によって発見されることを防ぐためガスピストン方式の採用による発熱の抑制も考慮されている。契約企業がシグ社であるためかSIG MCXのような折り畳み式ストックも装備されている。
M4は、M16A2と比べて以下の点が異なる。
M4はM16より銃身が短いため銃が熱を持ちやすく、こもった熱によって銃が歪み命中精度が低下する。また、銃身が短いため弾頭の加速時間も短く初速はフルサイズのM16より若干下がる傾向があるため有効射程が短くなる欠点も指摘されている。
2002年4月、ネーティック兵士センターにてチャーリー・ディーン中佐とサム・ニューランド一等軍曹が発表した、アナコンダ作戦などアフガニスタンでの軍事行動において使用されたM4A1に関する兵士からの報告内容は以下のとおりである。
2007年秋、メリーランド州アバディーン試験場において、M4は他の3つのライフル、XM8、SCAR、HK416とともに、砂塵の多い状況下での試験が行われた。この試験では各ライフルが10丁ずつ用意され、1丁につき6,000発が射撃され、全体では1つの種類につき60,000発が発射されたことになる。その結果、M4は他のライフルよりはるかに多い882回の射撃停止障害を起こし、19回は部品の修理を必要とした。XM8が最も障害が少なく、障害は116回、重大な障害が11回であった。SCARは223回、HK416は233回の障害発生があった。同年の夏に行われたテストでは、M4は合計310回の障害を起こし、11回は重大な障害であり、秋のテストとは全く違う結果を出した。秋に行われたテストにおいて他の3丁のライフルはおおよそ新品であったがM4は以前からこの試験場にて使用されていたものを使用していたとされ、このダストテストの公平性に疑問が生じる。この結果をふまえ、アメリカ陸軍はM4のバレルを新しいコールド・ハンマー製法によって寿命の延長と信頼性の向上させる計画が存在する。対策として米陸軍は2009年3月頃から改良されたSTANAGマガジンの配備を開始した。
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