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M151(Military Utility Tactical Truck:MUTT, マット)は、フォード・モーター社がアメリカ陸軍および海兵隊向けに開発した1/4トン積の軍用車両である。第二次世界大戦におけるMB/GPWや、戦後のM38/M38A1などの、いわゆるジープの後継となる小型汎用車両で、「ケネディジープ」という非公式な愛称を持つ[要出典]。
M151 | |
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M151A2 | |
幌とドアを装備したM151A2 | |
ボディ | |
乗車定員 | 4名 |
駆動方式 | パートタイム4WD |
パワートレイン | |
エンジン | 水冷直4ガソリン |
変速機 | 4MT×2速副変速機 |
前 |
前:ダブルウィッシュボーン+コイル 後(A2以外):スイングアクスル +コイル 後(A2のみ):セミトレーリングアーム式サスペンション+コイル |
後 |
前:ダブルウィッシュボーン+コイル 後(A2以外):スイングアクスル +コイル 後(A2のみ):セミトレーリングアーム式サスペンション+コイル |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,160mm(85,0inch) |
全長 | 3,370mm(132,7inch) |
全幅 | 1,630mm(64,0inch) |
全高 |
1,800mm(71,0inch) 1,350mm(53,0inch減高時) |
車両重量 | 1,066kg- |
乗員は、ドライバーを含め4名。ベトナム戦争で実戦投入され、陸軍では1990年代初期まで使用された。後に後継車のハンヴィーに更新されたが、海兵隊ではハンヴィーが大柄でC-130輸送機での輸送と早期展開が困難な事から、現在も使用されている。
車体は、鉄骨のはしご型フレームにボディを載せていたジープに対し、ボディの一部を断面の大きな鋼板ボックスフレームとして一体化した、モノコック構造が導入された[1]。これにより、大幅な低床化・軽量化・構造の簡略化が図れたが、戦場ではスタックした際にフックで牽引すると車体が歪むなどの難点も見られた。また、フロントグリルは横スリットになっているが、これは、ジープの縦スリットデザインが著作権と商標登録で保護されていたためである。
モノコックボディと共に、サスペンションもジープの四輪リーフリジッドから、コイルスプリングを用いた、フロントダブルウィッシュボーン、リアスイングアクスルの四輪独立懸架へと大きく変わった。5インチ拡大されたホイールベース(2,030→2,160mm、前/後トレッドは1,346/1,340mm)と相まって、この新しいサスペンションには移動速度の向上と兵員の消耗低減が期待されていたが、特に軽積載(無反動砲を搭載するなど)かつ高い速度域での旋回時に、イン側リアサスペンションの伸び上がり(ジャッキアップ現象)から横転につながることが判明し、後にセミトレーリングアーム式サスペンションへの設計変更を余儀なくされた。一方、前後に長いリーフスプリングを廃したことで、対地障害となる前後のオーバーハングを切り詰める事ができた。
エンジンは、オーソドックスな縦置き水冷直列4気筒OHVのフォード製ガソリンエンジンで、ボア×ストローク 98.3×76.2mm排気量2,319ccから、最高出力71馬力(52kW)/4,000rpm、最大トルク17.6kg・m(173Nm)/1,800rpmを発揮する。
トランスミッションは、前進4速、後退1速のMT、駆動方式は2速の副変速機付きトランスファーを介して後輪駆動と四輪駆動を切り替えるパートタイム4WDである。
リアオーバーハングを延長し、担架を収容できる様にした前線の負傷者搬送仕様(救急車)。ベースとなったM151に準じ、無印・A1・A2の各型がある。
前述のM151A1Cを改良したもの。M40 106mm無反動砲搭載型。
M151は、アメリカの他、カナダ、デンマーク、イスラエル、イギリス他多くの国の軍隊で導入された。イスラエル軍では、M151に"Shmira"のニックネームを付け、多数を使用した。
国民の税金によって製造される軍用車両は、用途廃止後に競売で民間への払い下げが行われている国が多く、アメリカでもピックアップトラックを初めとした多くのソフトスキン(非装甲車両)が放出されている。しかし、M151は前述の操縦安定性を理由として、問題の無いA2を含め、車両の形での払い下げが全て禁止され、車体は前後2分割、あるいは十字に切り込みを入れて4分割に解体された。
現在旧車趣味の世界で流通しているものは、解体を免れてアメリカ軍以外から放出された個体か、米国以外の駐留地で廃車、解体されたものを溶接し直して復元した個体である。
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