感染症
寄生虫・細菌・真菌・ウイルス・異常プリオンによる病原体感染により生じる反応の総称 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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感染症(かんせんしょう、英語: infectious disease、スペイン語: infección)とは、感染する病気の総称であり、寄生虫・細菌・真菌・ウイルス・異常プリオンなどの病原体の感染により宿主に生じる病気の総称。感染症体内に微生物が侵入し、増殖することでおこる[1]。
この項目では、動物の疾患について説明しています。植物の病害については「植物病理学」をご覧ください。 |
感染症のうち、伝染性(ヒトや動物から他のヒトや動物へと次々に病気がうつる)をもつものを伝染病と言い、集団発生して流行する伝染病を疫病と言う。瘟疫(うんえき、おんえき)、疫癘(えきれい)とも言う(瘟、疫、癘ともに「はやりやまい」の意)。
感染症の歴史は生物の発生と共にあり、先史時代(有史以前)から近代までヒトの病気の大部分を占めてきた。医学史は感染症の歴史に始まったと言っても過言ではない。人類の歴史を通して根本的な治療法が全く無かった時代が圧倒的に長く、伝染病は大きな災害と捉えられてきた。古今東西の歴史書には頻繁に疫病の記述が登場する。ペストの大流行はヨーロッパの人口の数分の1ほどを死に至らしめ、人類の文明のありかたを変えたとも言われているし、20世紀初期に全世界で大流行したスペイン風邪もおそらく1億人以上の人が死亡したと推計されており世界情勢に影響を与えた。
1929年にようやく初の西洋医学的な抗生物質であるペニシリンが発明されたが、そうした抗生物質類で治療できるのは感染症のごくごく一部にすぎない。
現代では、開発途上国では特に三大感染症[2]と呼ばれるマラリア・結核・AIDSや、腸管感染症は大きな問題であり、感染症学のみならず保健学・開発学など集学的な対策が喫緊の課題である。2013年においても、世界では感染症により920万人が死亡しており、全死亡の約17%を占める[3]。一方先進国においては新興感染症・再興感染症に加えて、多剤耐性菌の蔓延やバイオテロの脅威が公衆衛生上の大きな課題として注目を集める一方、高度医療の発達に伴って手術後の患者や免疫抑制状態の患者における日和見感染が増加するなど、日常的にもまだまだ解決に向かっているとは言えなかった。さらに2019年(~2021年)新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)が起き、先進国でも発展途上国でも、非常に多数の人々が感染し死亡しつづけている(2021年5月29日時点で世界累計感染者数1.72億人、死亡者数370万人超[4]と推計されている。)。
感染症には有効な治療薬が無いものも多いが、現在のところ感染症の治療に使われる薬には、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗原虫薬、駆虫薬などがある。ワクチンで予防が行える感染症も一部にあるが、ワクチンの開発に成功していないものも多い。