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16SリボソームRNA
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16S リボソームRNA(16S rRNA)とは、シャイン・ダルガノ配列(Shine-Dalgarno sequence)に結合する原核生物リボソームの30S小サブユニットのコンポーネントである。このRNAをコードする遺伝子は16S rRNA遺伝子と呼ばれる。
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16S rRNA遺伝子は、リボソームという生物の本質に関わる機能を持つRNAであるため、配列の保存性が高く、細菌や古細菌といった原核生物の間で高度に保存されている。そして、機能変化に伴う遺伝子の変異がこれからも起きる可能性が極めて低い。すなわち、遺伝子配列の進化速度が遅いことから、信頼できる分子時計として利用できる。また、遺伝子の長さが適当に長く(16S rRNAの場合、1600塩基対程度)、系統解析を行う上で十分な情報量を持つ。さらに、比較的変異しやすい部位も存在し、近縁な種でも比較が可能である。これらの特徴から、特に微生物系統学の分野において、この遺伝子配列は系統進化解析によく利用されている[2][3][4][5]。カール・ウーズとジョージ・E・フォックス(英語版)が1977年に、系統学に16S rRNAを導入した[6][7]。真核生物の場合に対応するものは18S rRNAなので、まとめてリボソーム小サブユニットRNA (Small Sub Unit rRNA、SSU rRNA) 系統解析と呼ばれることもある。