鶏卵素麺
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鶏卵素麺(けいらんそうめん)は、ポルトガルから肥前国の平戸に伝来した南蛮菓子の一つ。 氷砂糖の飽和水溶液を沸騰させて作った蜜の中に卵黄を細く流し入れて素麺状に固め、取り出して冷ましてから切り揃えた菓子である。
平戸藩の御留菓子などを記した『百菓之図』にもあるように玉子素麺(たまごそうめん)と呼ばれていた。ポルトガル語ではフィオス・デ・オヴォス(fios de ovos、卵の糸)と呼ばれる菓子であり、現地ではそのまま食べるだけでなく、ケーキのデコレーションとして用いる事も多い。例えば、ポルトガルの「ヤツメウナギの卵」(lampreia de ovos)というケーキには、主要な材料としてフィオス・デ・オヴォスが大量に用いられる。
現在では福岡県福岡市の松屋、大阪市の鶴屋八幡や高岡福信、京都市の鶴屋鶴寿庵などの老舗店で作られている。同じく南蛮菓子であるカステラやカスドースをさらに甘くしたような味で、極めて甘い。