頭ならびに腹
ウィキペディア フリーな encyclopedia
『頭ならびに腹』(あたまならびにはら)は、横光利一の短編小説(掌編小説)。1924年(大正13年)10月に同人雑誌『文藝時代』創刊号に掲載され、横光の属する同人が「新感覚派」と命名される大きなきっかけの一つとなった作品である[1]。線路故障で立ち往生する特別急行列車から迂回線に乗り換える乗客たちと、一人そのまま残ったお道化た小僧との対比の一幕を描いた小品。タイトルの意味は、太った「腹」の紳士につられて迂回線に移動してゆく人々の「頭」と、小僧の「頭」のことで、人間を擬物的手法で描いている[2]。
概要 頭ならびに腹, 作者 ...
頭ならびに腹 | |
---|---|
作者 | 横光利一 |
国 |
![]() |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 短編小説、掌編小説 |
発表形態 | 雑誌掲載 |
初出情報 | |
初出 | 『文藝時代』1924年10月1日発行創刊号(第1巻第1号) |
出版元 | 金星堂 |
刊本情報 | |
収録 | 『無禮な街』 |
出版元 | 文藝日本社 |
出版年月日 | 1925年6月20日 |
![]() ![]() | |
テンプレートを表示 |
閉じる
冒頭部の、「真昼である。特別急行列車は満員のまま全速力で馳けてゐた。沿線の小駅は石のやうに黙殺された。」は、新感覚派表現の代表的な例としてよく引用されている[2]。この擬人法と比喩を巧妙に混ぜ、特急列車のスピード感を表現した独特の新しい文体は、発表当時文壇の大きな話題となり、同人誌発行意義の決定打となった[1]。