豚流行性下痢
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豚流行性下痢(ぶたりゅうこうせいげり、porcine epidemic diarrhea:PED)とは豚流行性下痢ウイルス感染を原因とする豚および猪の感染症。家畜伝染病予防法において届出伝染病に指定されている。
豚流行性下痢ウイルスはコロナウイルス科コロナウイルス属に属する。コロナウイルス科のウイルスはプラス一本鎖RNAをゲノムに持ち、120〜160nmのエンベロープを持つほぼ球形のビリオンを形成する。豚流行性下痢ウイルスは小腸の粘膜上皮細胞で増殖する。感染は糞便を介した経口感染が主であり、汚染器具を介した感染も起こる。
食欲不振、元気消失、嘔吐、水様性下痢で、10日齢以下の哺乳豚では下痢に伴う脱水によりほぼ100%が死亡する。日齢が進むに連れて症状は軽くなるが母豚では食欲不振により泌乳減少・停止が起こり、哺乳豚の死亡の要因となる。病変は小腸に限局し、小腸壁の菲薄化、小腸絨毛の萎縮を示す。
培養細胞での分離が困難であるがVero細胞で培養可能なウイルス株もある[1]。その他免疫組織化学的染色による抗原検出、中和試験による抗体検出を行う。臨床現場においての確定診断はRT-PCRによる嘔吐物または糞便中のウイルス遺伝子の検出を行い、陽性だった場合に免疫染色による抗原検出にて確定診断とする。
衛生管理による発生および拡大の防止が有効、常在地では生ワクチン接種を行う。
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