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要心無用(ようじんむよう、Safety Last!)とは、1923年公開のアメリカ合衆国のロマンティック・コメディである。近年は『ロイドの要心無用』(ロイドのようじんむよう)のタイトルで知られている。1977年に東宝東和の「プレイ・ロイド」シリーズとしてリバイバル上映した時は『ロイドの用心無用』(ロイドのようじんむよう)という邦題もつけられた[7]。主演のハロルド・ロイドが高層ビルの時計の針にぶらさがっているシーンはサイレント映画を代表する名シーンで、後の映画で何度もオマージュされている。興行的にも批評的にも大成功で、ロイドの人気を決定的なものにした。現在でもリバイバル上映され、ロジャー・イーバートなどから映画史に残る傑作コメディ映画の1本と評価されている[8]。第1回キネマ旬報ベスト・テン(1924年)では「娯楽的に最も優れた映画」の第3位に選出されている。
この映画の原題「Safety Last」は工事現場などで使う「安全第一(safety first)」のもじりである。実は4年前、ロイドは撮影中の事故で親指と人差指を失っていた。それにもかかわらずこの映画ではビルの壁をよじ登る危険なスタントをこなした。
ハロルドは恋人のミルドレッドと別れて、大都市に出て立身出世を目指す。しかし、ハロルドが得た仕事はデパートの店員。それでも見栄を張り、故郷のミルドレッドに高価なプレゼントを送り続ける。
ミルドレッドは恋人が成功したと思い、ハロルドに会いに来ることに。
困ったハロルドだが、店長がデパートの派手な宣伝がないか探していると聞きつける。
ハロルドは友人のビルが壁のぼりしているのを思い出し、売り込む。
かくて、大勢の人々が見守る中、ハロルドは高層デパートの壁を登りだす。
何度も落ちそうに成るハロルドだが、登りきり、屋上で迎えてくれたミルドレッドと愛を誓う。
スタントはロイド本人が演じたが、一部分、たとえばロープで吊るされるロングショットではサーカスのパフォーマーが代役を務めた。その中には、友人ビル役で出演しているビル・ストローザーもいる、劇中、彼が壁を登るシーンを主人公が見たことがクライマックスのビル登りのきっかけとなっている。また、ロイドの死後、スタントマンのハーヴェイ・ケリーが自分もビル登攀シーンでスタントをしたと公表し、どうやって成功したかをテムズ・テレビジョンの『Hollywood』(1980年)で詳細に語っている[10]。
また、ビルに関しても、ロサンゼルスの1stストリートから9thストリートにある高さの違うビルを使ったり、メインのビル(International Savings & Exchange Bank Building)のファサードにマッチする屋根のセットを作ったり、建物がより高く見えるような映画のトリックが用いられている[11][リンク切れ](外部リンク"How Harold Lloyd Filmed Safety Last!"も参照)。
この映画は1994年にアメリカ議会図書館によりアメリカ国立フィルム登録簿に加えられた。
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