藤織り
フジの繊維から糸を撚り、布に織る紡織技術。また、その製品のこと。 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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藤織り(ふじおり)は、山に自生する藤蔓の皮を剥いで糸とし、それを織りあげる紡織技術。またはその製品である藤布(ふじふ)のことをいう。
古代から庶民の衣料として、北海道と沖縄を除くほぼ全国の山村で織られた自然布(古代布)であるが、麻や木綿の普及にともなって姿を消した[1]。これらの栽培に適さなかった山間部や、繊維が強く塩や水にも耐えたことから需要の高かった沿岸部等では明治・大正期に入ってからも藤織りが行われていたが、生活様式の変化とともに減少し、昭和に入って途絶えたものと考えられていた[2][3][4]。
1962年(昭和37年)、京都府宮津市下世屋地区で藤織りが行われていることが明らかとなったことから、全国的に古代布の調査が進み、現在は各地の保存会や伝承会によって技術の継承が図られている[5][6][7]。2019年現在、産業として存続している各地の藤織りは、すべて世屋の藤織りがルーツとなっている。