芸術社会学
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芸術社会学 (げいじゅつしゃかいがく、Sociology of art) は社会学の一分野で、芸術および美学を社会学的立場あるいはマルクス主義的社会科学の立場から考察しようとする学問である。
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歴史を通じた芸術社会学の研究とは、芸術の社会史、すなわちある社会が特定の芸術家の登場にどのように貢献したかを研究することである。
ハンナ・ダインハードは1970年に上梓した "Meaning and Expression: Toward a Sociology of Art"において「芸術社会学の出発点は疑問である。すなわち、常にある特定の時代や社会、特定の時期における人間の所産として成る芸術作品、あるいは必ずしも「芸術作品」として産み出されたものではない機能は、いかにして時間を超越して生き残り、まったく異なる時代や社会において表現に富み意味あるものとなりうるのか?またその一方で、それらを生み出した時代や社会はどのように作品の中に認識されるのか?」というアプローチを提示した[1]。
他のアプローチでは、芸術作品の創造における社会的・経済的背景を考察する。それはここ数十年の美術史における主な着眼点でもあった。また、芸術のパトロンと消費者、そして芸術家自身の役割が考察されるとともに、単なる来歴に留まらず、古美術品がどこで創造されて現在ここにあるのかということや美術品蒐集の歴史にも大きな関心が寄せられる。