群速度
波束が移動する速度 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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群速度(ぐんそくど、英: group velocity)とは、複数の波を重ね合わせた時にその全体(波束)が移動する速度のことである[1]。
![Thumb image](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/bd/Wave_group.gif/400px-Wave_group.gif)
波束の後方(の緑点)で新しい波が出現し、波束の中心に向かって振幅が大きくなり、波束の前方(の緑点)で消えているように見える。水面の重力波においては、ほとんどの場合、水粒子の速度は位相速度よりもずっと小さい。
![Thumb image](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c7/Wave_opposite-group-phase-velocity.gif)
波(波動)の周波数(角振動数)を ω、その波数ベクトルを k とすると分散関係
から、群速度 vg は次のように定義される。
群速度はしばしばエネルギーや情報が伝わる速度と考えられている。多くの場合、これは正しく波形が伝わる信号速度と考えることができる。しかし、波が吸収性のある媒質を伝播する場合には、上のことが常に成り立つとは限らない。
1980年までに多くの実験により、レーザー光のパルスの群速度が真空中の光速度を超える速度で特別な物質中を伝播することが確かめられた。だからといって、超光速度の情報伝達はこの場合には不可能である。それは信号の速度は真空中の光速度よりも遅いためである。また、群速度を小さくして0として静止させたり、負の速度としパルスを逆向きに伝播するようにすることができる。しかしながら、これらの場合には光子は媒質中での光速度で伝播を続けている。
位相速度と区別する群速度の概念は1839年にハミルトンにより初めて提案された。1877年にレイリーが Theory of Sound において最初に扱った。