緊急避妊薬
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緊急避妊薬(きんきゅうひにんやく、英語: emergency contraceptive pill 、ECP)とは、性交の後に服用し妊娠を回避するための経口薬のことで、避妊に失敗した場合等の望まない妊娠を防ぐために服用される[1]。事後避妊薬、緊急避妊ピル、アフターピル、モーニングアフターピルとも呼ばれ、主に排卵を遅らせる作用で受精を妨げる[1][2][3][4]。72時間タイプと120時間タイプの2種類があり、72時間を過ぎた際には後者が必要である[5][6]。尿道球腺液や精子が腟内に入った直後から72時間又は120時間以内になるべく早めに服用することで、緊急的に高い確率で妊娠を阻止できる[7][8]。妊娠(受精)を予防する薬であり、受精卵が出来た後は効果がない。流産を引き起こす中絶効果もない[9]。
1999年と国連加盟国の中で最も遅く[10]、北朝鮮の使用開始の6年後に経口避妊薬が承認された日本では[11]、緊急避妊薬についても2017年に処方箋なしの市販薬化(OTC化)が議論されたが否決され[12]、2021年の審議再開後[13]の2023年1月にOTC化についてパブリックコメントでは4万6300件の意見が寄せられうち97%が賛成意見であった[14][15]が、試験的に医師の処方箋なしでの販売の運用が開始になったが厚生労働省は2024年5月現在、「まだ十分なデータが確保されていない」として本格実施を導入していない[16]。 なお、東京都では、2024年6月より緊急避妊の診察ができる医療機関サイトについて公式ホームページ掲載を始めた[17]。