福祉国家論
社会保障制度の整備の研究 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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福祉国家(ふくしこっか 英: welfare state)は、国家の機能を安全保障や治安維持などに限定(自由主義国家論)するのではなく、社会保障制度の整備を通じて国民の生活の安定を図ること。広義には財政政策や雇用政策を含める場合もある。
一般に国民の福祉増進を国家の目標とし、相当程度に福祉を実現している現代国家をいい[2]、政治的には民主主義を、経済的には混合経済の体制を採る[3]。
「福祉国家」の語は、1928年にスウェーデンの社会大臣グスタフ・メッレル(Gustav Möller)が選挙パンフレットで用いたほか、英語圏ではイギリスのウィリアム・テンプルが『市民と聖職者』(1941年)のなかで言及している[4]。特に第二次世界大戦中にはイギリスが、連合国を「福祉国家」、枢軸国を「戦争国家」(英:Warfare State)と政治宣伝した。
福祉国家論(ふくしこっかろん)は、福祉国家の形成、発展、変容の要因に関する研究のこと。オイルショック以後の「福祉国家の危機」に対する各国の対応が一様でなかったことから、福祉国家の多様性が意識されるようになり、福祉国家論が発展する契機になった。特にイエスタ・エスピン=アンデルセンが福祉国家に代わる新しい概念として福祉レジーム論を提起し、社会保障政策の特徴やグローバル化への対応の多様性を政治的イニシアティブや経済レジームとの連関で論じた。
福祉国家の内容である社会保障政策については「社会保障」を参照