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盗まれた地球
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「盗まれた地球」(ぬすまれたちきゅう、原題: "The Stolen Earth")は、イギリスのSFドラマ『ドクター・フー』の第4シリーズ第12話で、1963年に始動したクラシックシリーズから数えて第750話[1]。2008年6月28日に BBC One で初放送された[2]。番組製作総指揮兼主脚本家のラッセル・T・デイヴィスが脚本を執筆した本作は、同年7月5日に放送されたシリーズ最終話「旅の終わり」との二部作であり、スピンオフ作品『秘密情報部トーチウッド』や『The Sarah Jane Adventures』とのクロスオーバー作品でもある。
盗まれた地球 The Stolen Earth | |||
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『ドクター・フー』のエピソード | |||
![]() 最高ダーレク | |||
話数 | シーズン4 第12話 | ||
監督 | グレアム・ハーパー(英語版) | ||
脚本 | ラッセル・T・デイヴィス | ||
制作 | フィル・コリンソン(英語版) | ||
音楽 | マレイ・ゴールド | ||
作品番号 | 4.12 | ||
初放送日 | ![]() | ||
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ドクター・フーのエピソード一覧 |
デイヴィスが製作総指揮に在任している間に作り上げた目立つ一連の物語は、このフィナーレの物語で決着を迎えた。本作では現代の地球と他の26個の惑星がダーレク艦隊に盗まれ、そのダーレク艦隊は誇大妄想に憑りつかれた創造主ダヴロスと、未来を予見するダーレク・カーンに助力を受けていることが判明する。10代目ドクター(演:デイヴィッド・テナント)と彼のコンパニオンドナ・ノーブル(演:キャサリン・テイト)が地球を探す間、ドクターの以前のコンパニオンであるジャック・ハークネス(演:ジョン・バロウマン)、マーサ・ジョーンズ(演:フリーマ・アジェマン)、サラ・ジェーン・スミス(英語版)(演:エリザベス・スレイデン(英語版))、ローズ・タイラー(演:ビリー・パイパー)は会合して彼にコンタクトを取り、ダーレクに対する地球防衛を開始する。本作の終盤ではドクターがダーレクに撃たれ、再生を開始する。
本作では1988年の Remembrance of the Daleks 以来となるダヴロスの再登場が目立ち、ダヴロス役をジュリアン・ブリーチ(英語版)が演じた。また本作では、グウェン・クーパー(演:イヴ・マイルズ)とイアント・ジョーンズ(演:ギャレス・デヴィッド=ロイド)、ルーク・スミス(演:トミー・ナイト(英語版))、ミスター・スミス(声:アレキサンダー・アームストロング(英語版))が『ドクター・フー』に初登場した。なお、マイルズとアームストロングは別の役で以前に『ドクター・フー』に出演していた。アッジョア・アンドー(英語版)とペネロペ・ウィルトンがそれぞれマーサの母フランシス・ジョーンズとハエリエット・ジョーンズ元首相役で再出演し、ポール・オグラーディ(英語版)とリチャード・ドーキンスが公衆の恐怖を緩和しようとするテレビのパーソナリティとしてカメオ出演した。
本二部作フィナーレの壮大なスケールと根本的なプロットは2007年初頭にエグゼクティブ・プロデューサーのラッセル・T・デイヴィスやジュリー・ガードナー(英語版)およびフィル・コリンソン(英語版)の降板のための最後のレギュラーシリーズの物語として考案された。第4シリーズのフィナーレはコリンソンがプロデューサーを務めた最後のストーリーで、2010年にはスティーヴン・モファットとピアース・ウェンガー(英語版)がそれぞれデイヴィスとガードナーに代わって製作総指揮とエグゼクティブ・プロデューサーに就いた。主要なコンセプトは2007年6月までに既に具体化され、デイヴィスは2007年12月7日に脚本に着手し、31日に完成させた。撮影は2008年2月と3月に行われ、ポストプロダクションは放送2週間前である2008年6月半ばに完了した。プロットの要素を可能な限り隠すため、「盗まれた地球」のタイトルは放送16日前まで公開されなかった。試写会のDVDからはドクターの再生シーンが削除されて最終シーンがダーレクに撃たれるドクターのシーンとなり、放送時には「旅の終わり」の予告編が放送されなかった。
本作は視聴者とプロの批評かのどちらからも肯定的にレビューされた。Audience Appreciation Index のスコアは91で、これは『ドクター・フー』が今まで記録したことのない数値であり、テレビ番組に与えられた評価としても最高値の1つである。本放送の視聴者数は878万人に上り、その週で2番目に多く視聴された番組となった。これは放送当時、『ドクター・フー』が到達した最高の順位であった。批評家の反応は圧倒的に肯定的だった。ニコラス・ブリッグズ(英語版)とジュリアン・ブリーチはそれぞれダーレク・カーン役とダヴロス役を称賛され、デイヴィスの脚本のほぼ全ての面が高評価された。最も顕著なのは本作の予想外の結末に関してで、これは一般に高く評価された。再生の衝撃により前代未聞のレベルの公衆の興味が番組に向かい、その興味は「旅の終わり」の放送まで続いた。