画家マティス (オペラ)
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『画家マティス』(Mathis der Maler)は、パウル・ヒンデミットが1934年から1935年にかけて作曲したオペラ。リブレットも作曲者自身による。ヒンデミットの同名の交響曲は、このオペラに先行して完成、初演されている。
「画家マティス」とは、一般にマティアス・グリューネヴァルトと呼ばれる16世紀ドイツの画家マティス・ゴートハルト・ナイトハルトのことで、オペラはこの画家を主人公としている。ドイツ農民戦争が勃発して騒然とする時代の中で、マティスは権力者のために絵を描くことをやめ、農民と共に戦う道を選ぶが、その後に幻滅する。
ナチス・ドイツ政権下でヒンデミットが政治的に批判されたために、この作品がナチ政権下の作曲者の状況を表す自伝的作品と解釈されたり、ナチ政権に対する批判と解釈されたりしてきた一方、逆に作者のナチ政権への順応を示す作品とも解釈された[1]。