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松本清張の小説、メディアミックス作品 ウィキペディアから
『球形の荒野』(きゅうけいのこうや)は、松本清張の長編推理小説。『オール讀物』に連載(1960年1月号 - 1961年12月号、連載時の挿絵は佐藤泰治・三芳悌吉)、1962年1月に文藝春秋新社から刊行された。
「もはや戦後ではない」と言われた時代に、「第二次世界大戦の亡霊」ともいうべき一人の男を登場させ、それに伴う波紋と、揺れ動く家族の心情を描く、ロマンティック・ミステリー。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
昭和36年のこと、奈良の唐招提寺を訪ねた芦村節子は、その芳名帳に、大戦中に外交官であった亡き叔父・野上顕一郎に相似した筆跡を発見する。名前は違っていたが、懐かしさを覚えた節子は、夫の亮一や野上未亡人・孝子にこの件を話す。彼らは野上顕一郎の死亡は確認されているとして取り合わなかったが、孝子の娘・久美子のボーイフレンドである添田彰一は、野上顕一郎の死亡前後の事情を調べてみようと試みる。しかし、当時の関係者は一様に冷淡な反応を示し、村尾課長は「ウィンストン・チャーチルに訊け」との謎めいた言葉で添田を煙に巻く。
ところが間もなく、当時の公使館関係者の一人が、世田谷で絞殺死体となり発見された。さらに、野上久美子の行く場所で、拳銃狙撃などの怪事件が相次ぐ。久美子も添田も、一連の事件に見えない糸が張りめぐらされているのを感じていた。やがて、終戦間際の公使館に端を発する悲劇が、徐々にその貌を現わしていく。
原作における設定を記述。
この節の加筆が望まれています。 |
1975年6月7日公開。製作・配給は松竹。前年公開の『砂の器』に続き、ヒロイン役に島田陽子を起用している。現在はDVD化されている。
キャッチフレーズは「地球は荒野でしかないのか?」。
他
本映画の脚本の脱稿は1975年4月30日、ベトナム戦争終了の日であった。脚本・監督の貞永方久は、サイゴン脱出を図ろうとするアメリカ人兵士の姿に、かつて満州で終戦を迎え、ソ連国境地帯から逃れてきた難民の姿を重ねていたと回顧している。撮影は翌日の5月1日にクランクイン、25日にクランクアップ(製作発表と丸の内ピカデリーでの完成記念特別試写会は6月3日、上映は6月9日)と、短期間の制作となった[6]。
この節の加筆が望まれています。 |
1962年8月16日と8月17日(22:15-22:45)、NHKの「松本清張シリーズ・黒の組曲」の1作として2回にわたり放送。
1963年4月22日から1963年5月27日まで(22:00-22:56)、TBS系列にて全6回の連続ドラマとして放映。
1969年3月5日から1969年4月2日まで、NHKの「水曜劇場」枠(20:00-21:00)にて全5回の連続ドラマとして放映。なお「水曜劇場」としては最終放送。
1978年3月11日から1978年4月8日まで、フジテレビ系列の「ゴールデンドラマシリーズ」枠(22:00-22:54)にて全5回の連続ドラマとして放映。2015年2月19日から2月26日までBSフジの名作ドラマ劇場にて放送している[7]。
1981年9月29日21:02-22:54、日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」第1作として放映。同枠の初回に、三船敏郎と島田陽子の共演で松本清張原作ドラマを希望する、日本テレビからの打診に始まり、検討の結果、本作が選択された[8]。制作には三船プロダクションが参加、また島田陽子は映画版に続く野上久美子役での出演となった。視聴率17.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
「松本清張作家活動40年記念・球形の荒野」。1992年2月7日21:02-22:52、フジテレビ系列の「金曜ドラマシアター」枠にて放映。視聴率17.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
「2夜連続 松本清張スペシャル 球形の荒野」。2010年11月26日・27日、フジテレビ系列で2夜連続(『金曜プレステージ』・『土曜プレミアム』内)で放送された。視聴率は前編:13.0%、後編:10.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。第65回文化庁芸術祭参加作品。
放送開始する3ヶ月前に解散した映画製作会社「映像京都」の最後の作品である。
時代設定は1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催直前。オープニングにJ.S.バッハの「ピアノ協奏曲第1番」第3楽章を、劇中音楽として同じくバッハの「パルティータ第2番」「ゴルトベルク変奏曲」などを使用している(ピアノ演奏はグレン・グールドによる盤で統一)。
「松本清張 球形の荒野」。2014年3月9日21:00-22:54、BS日テレオリジナルドラマとして放映。
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