東京市(現大田区)生まれ、千葉県習志野市在住。日本マンガ学会、日本笑い学会、日本ペンクラブ各会員。妻は工芸作家の清水己明。
立教大学理学部数学科卒業[3]。1963年三省堂に入社して編集者となる。1968年~1983年、日本リーダーズ・ダイジェスト社で勤務。1984年より研究・著作に専念。
川崎市市民ミュージアム専門研究員[3]、文京女子短期大学非常勤講師[3]、帝京平成大学教授[3]、学習院女子大学非常勤講師をはじめ、日本仏学史学会会長、岡本太郎美術館収集委員、昭和館運営委員、日本漫画資料館館長などを歴任した。2006年の開館以前から京都国際マンガミュージアムの設立に関わり、同ミュージアム研究顧問として同館を支えた[4]。
1982年、『明治の諷刺画家ビゴー』(新潮社)が第一回高橋邦太郎賞(後の日仏文化賞)を受賞[1]。
1983年、前記書を原作本とした日仏共同制作テレビドラマ「ビゴーを知っていますか」が第11回国際エミー賞を受賞とされる。NHKアーカイブスでの紹介等一部の文献に「1983年度国際エミー賞優秀賞受賞」と記載されているが[5] 、現在の国際エミー賞公式ウェブサイトにある過去の受賞作品リスト[6]には本作に相当する作品は掲載されていない。
1986年、第15回日本漫画家協会賞特別賞(近代漫画の調査・研究による長年の功績)を受賞[1]。2004年、執筆者の一人として参加した『昭和二十年の絵手紙・私の八月十五日』(A.セーリング)が第8回文化庁メディア芸術祭奨励賞。2015年文化庁メディア芸術祭功労賞[1]。
日本漫画の収集家としても有名で、収集した漫画は2万点に及ぶ[3]。幕末明治期に日本に滞在した風刺漫画家ジョルジュ・ビゴーの絵を中心に著作を刊行している。1992年日本諷刺画史学会を設立、季刊「諷刺画研究」を刊行している。
2021年3月2日、前立腺癌のため死去[2]。81歳没。法名は、ライフワークだったビゴー研究に因んで自らつけた「釈美郷信士」[7]。
- 『明治の諷刺画家・ビゴー』新潮選書 1978
- 『手塚治虫マンガの魅力』清山社 1979 (マンガ漫画館・魅力シリーズ)
- 『明治まんが遊覧船』文藝春秋 1980
- 『江戸のまんが』文藝春秋 1981
- 『江戸のまんが 泰平の世のエスプリ』講談社学術文庫 2003
- 『絵で書いた日本人論 ジョルジュ・ビゴーの世界』中央公論社 1981
- 『ビゴーが見た日本人―諷刺画に描かれた明治』講談社学術文庫 2001
- 『嘲笑絵世界への旅 諷刺の漫画館』中央公論社 1982
- 『コラム・漫画館 諷刺と遊び』駸々堂出版 1984
- 『「日本」漫画の事典 全国のマンガファンに贈る』三省堂 1985
- 『アイデア漫画館』講談社文庫 1985
- 『本にみる漫画の歩み』こつう豆本:日本古書通信社 1987
- 『日本漫画ミニ百科』教育社 1988
- 『「漫画少年」と赤本マンガ 戦後マンガの誕生』ZΩION社・刀水書房 1989
- 『漫画空間散策』教育社 1989
- 『諷刺漫画人物伝』丸善ライブラリー 1991
- 『漫画の歴史』岩波新書 1991
- 『漫画にみる1945年』吉川弘文館 1995
- 『サザエさんの正体』平凡社 1997
- 『大阪漫画史 漫画文化発信都市の300年』ニュートンプレス 1998
- 『マンガ誕生―大正デモクラシーからの出発』吉川弘文館・歴史文化ライブラリー 1999
- 『図説 漫画の歴史』河出書房新社・ふくろうの本 1999
- 『日本近代漫画の誕生』山川出版社・日本史リブレット 2001
- 『古きよきサザエさんの世界』いそっぷ社 2002
- 『年表日本漫画史』臨川書店 2007
- 『四コマ漫画 北斎から「萌え」まで』岩波新書 2009
- 『ビゴーが見た明治職業事情』講談社学術文庫 2009
- 『サザエさん事典』いそっぷ社 2013
- 『北斎漫画 日本マンガの原点』平凡社新書 2014
- 『風刺画で読み解く近代史』三笠書房知的生きかた文庫 2015
編著・共著
- 『ジョルジュ・ビゴー画集 明治を活写した仏人風刺画家伝』美術同人社 1970
- 『太平洋戦争期の漫画』美術同人社 1971
- 『ビゴー精選画集』美術同人社 1972
- 『明治漫画館』講談社 1979
- 『小林清親 諷刺漫画』岩崎美術社 1982
- 『明治大正諷刺漫画と世相風俗年表』岩崎爾郎共著 自由国民社 1982
- 『昭和マンガ風俗史 杉浦幸雄漫画でたどる五十年』文藝春秋 1984
- 『ビゴー日本素描集』岩波文庫 1986
- 『ワーグマン日本素描集』岩波文庫 1987
- 『漫画に描かれた明治・大正・昭和』教育社 1988
- 『明治漫葉集 団団珍聞』湯本豪一共編 文藝春秋 1989
- 『続 ビゴー日本素描集』岩波文庫 1992
- 『漫画と小説のはざまで 現代漫画の父・岡本一平』湯本豪一共著 文藝春秋 1994
- 『外国漫画に描かれた日本』湯本豪一共著 丸善ブックス 1994
- 『岡本一平 漫画漫文集』岩波文庫 1995
- 『近代日本漫画百選』岩波文庫 1997
- 『ビゴーが描いた明治の女たち』マール社 1997
- 『明治の面影・フランス人画家ビゴーの世界』山川出版社 2002
- 『戦後漫画のトップランナー横井福次郎 手塚治虫もひれ伏した天才漫画家の軌跡』臨川書店 2007
- 『マンガの教科書 マンガの歴史がわかる60話』吉村和真編著、内記稔夫・秋田孝宏共著 臨川書店 2008
- 『ビゴーの150年 異色フランス人画家と日本』編著 臨川書店 2011
- 『江戸戯画事典』編著 臨川書店 2012
- 『ビゴーを読む 明治レアリスム版画200点の世界』編著 臨川書店 2014
- 『ビゴー『トバエ』全素描集 諷刺画のなかの明治日本』編著 岩波書店 2017
- 『日本の漫画本300年 「鳥羽絵」本からコミック本まで』猪俣紀子共著 ミネルヴァ書房 2019
石田汗太「ニッポン絵ものがたり パリの江戸ッ子 そのままがよかった」、読売新聞2021年5月2日付朝刊(東京本社版)、日曜版 よみほっと、2面。
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