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『永遠の女囚』(えいえんのじょしゅう)は、木々高太郎の短編推理小説。1938年、『新青年』11月号に掲載された。志賀博士シリーズの一篇である。
繁之・正子夫妻は、当年24歳になる妹の桂の奇行に悩まされていた。正子と桂は腹違いの姉妹であり、正子の父親、雲井久右衛門は桂に婿を迎え、全財産を与え、家を継がせようとしていたが、一方で、後妻である桂の母親を離別していた。桂は18歳の時、東京の学校に通うため、繁之の家に寄寓していた。桂は実母を父親に借りさせた一軒家に内緒で住まわせていた。
帰郷後、桂は父親より婿を迎えることを求められ、22歳の時に帝国大学を卒業した夫を迎えることになった。しかし、一泊したホテルの部屋より桂は脱走し、5,6日後に実家へ帰ってきた。結婚式だけしてみたかった、というのが桂の言い分であった。桂は再び繁之のところへ6ヶ月ほど預けられることになったが、鄕里へ帰る前に、桂は繁之の事務所を尋ね、親の承諾なしで結婚できるのは25歳以降であることを確かめ、その年齢になったら、自分も安心できる、と謎めいた言葉を残した。
鄕里に戻った途端に、桂は再度駆け落ちをしたが、ほどなくして相手から不意に逃げ出して、実家へ戻ってしまった。正子は二度あることは三度ある、と言って妹が問題を起こすことを予言するが、三度目の事件は、小作争議で長年悩まされていた久右衛門を、桂が殺害した、というものであった。
正子は絶望して泣き叫んだが、その嘆きを聞いた繁之は、桂への思いに気づき、桂の弁護をしようと志願する。鑑定を担当した志賀博士の協力もあって、何とか桂の罪が冤罪であることを証明することが可能になった矢先、繁之と面会した桂は、自分を救うのはやめてほしい、今の境遇が一番幸せだと訴えた。繁之は桂への愛情を伝え、その言葉を聞いた桂はいつまでも泣きじゃくっていた。
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