Loading AI tools
ウィキペディアから
民営化(みんえいか)とは、国家や地方公共団体が経営していた企業および特殊法人などが、一般民間企業に改組されること、運営が民間委託されること、さらには民間に売却されることなど、さまざまな形態を指して用いられている政治的な言葉である。私有化とも言える。
多くの場合、根拠法の廃止又は改正により会社法上の会社となることを指す。一般には、公社・公団、現業事業などが特殊会社に移行することも「民営化」と呼ばれる。また、PFIによる半官半民の公営事業の委託も民営化ということがある[要出典]。民営化の目的は効率化、サービスの向上、透明化、税金の納入による国民負担の軽減、債務の切り離し、労働組合の弱体化などである。総じて、政府による経済介入を減らす小さな政府政策に関連している。逆に、国または国の出資する特殊法人が民間会社の議決権の過半数を取得することを国有化という。行政が行っている公共サービスを民間にも開放し、競争原理を導入する市場化(市場化テスト)とは異なる。
政府活動が肥大化していくことは、経済全体の資源配分を歪める結果となることがある[1]。民営化の動きは、公共部門が持っている非効率性を競争原理によって是正するといった狙いがある[1]。また公共部門の非効率性は、経営の赤字といった形でよくあらわれる[1]。経営の赤字から生じる財政負担が、民営化への原動力になっている[1]。
国営企業と民間企業の違いは、根拠法に依って定められた独占市場の有無である。新規参入の激しい自由市場では自然選択説が適用でき、企業は市場環境により適応した別の企業に置き換わる。根拠法の廃止又は改正により、国営企業から独占市場を奪い市場環境を適切に定めれば、自然選択の力で最適化された企業を得る。 新規参入企業が国営の場合がある。ニュージーランドの節を参照。
民営化された国営・公営企業は通常株式公開される。段階的に株式を放出し、やがて市場がすべてを保持するようになった(国有分の株式が完全に放出された)場合、完全民営化と言われる。国によっては時限的に黄金株をつけるなどの工夫により市場の安定化を図るケースもあった。
市場によって保持される企業は利益増大が必須命題となる。このため各企業は利益をあげるよう企業努力をするようになる。利益が増大できない場合、市場から経営者の交代を求められる可能性もある。
また、利益が極めて薄い場合、株価が低迷し買収により効率化が図られることも考えられる。
完全な民営化のプロセスが整った場合、企業は価格と利潤の関係を適正化する。価格機構が正常化すれば、市場への供給に対して過剰や過少がなくなり、経済全体が効率化する。
供給過剰だった場合は、使用していた資源(リソース)を解放するようになるため、他の産業の活動を支援することになる。供給過少だった場合は、必要とされる量が供給されるようになるため、利用者の経済活動が活性化する。
2018年、国際航空運送協会(IATA)のアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長が、「われわれの調査では、民営化された空港で、効率性や投資水準が向上していないことがわかった。民営化に、すべての答えがあると仮定するのは間違いだ」として、不十分な検討のまま空港が民営化されることで、長期的に空港の社会的な便益が損なわれる可能性について警鐘を鳴らした[2]。
ユコスなどのロシア国営企業
カリフォルニア州電力事業
大韓航空公社
韓国タバコ人参公社
浦項製鉄
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.