欧州連合の3本柱
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欧州連合の3本柱(おうしゅうれんごうのさんぼんばしら)とは、欧州連合の創設を定めたマーストリヒト条約において定義された、主要な政策分野を3つに分類したうえで、それぞれを担う欧州連合の構造を柱に例えた枠組み。リスボン条約により廃止された。
- 第1の柱「欧州共同体」- 経済、社会、環境政策分野
- 第2の柱「共通外交・安全保障政策」- 外交、軍事分野
- 第3の柱「警察・刑事司法協力」- 犯罪対策協力。かつては「司法・内務協力」とされていた。
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欧州連合 | ||||||
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第1の柱 | 第2の柱 | 第3の柱 | ||||
欧州共同体 | 共通外交・安全保障政策 | 警察・刑事司法協力 | ||||
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いずれの柱の分野においても、超国家主義と政府間主義の原則の間でさまざまな均衡が保たれている。
超国家主義はとくに第1の柱に強く表れている。第1の柱に含まれる使命は、3つの欧州の共同体(欧州石炭鉄鋼共同体、欧州経済共同体、欧州原子力共同体。なおこれら3共同体の各機関は1960年代にブリュッセル条約で既に統合されている。また欧州石炭鉄鋼共同体はパリ条約の失効により2002年に消滅した)のそれとほぼ一致している。その後、マーストリヒト条約において欧州経済共同体の名称から「経済」が取り除かれ、単に欧州共同体となった。またアムステルダム条約においては、さらに第3の柱の分野が部分的に第1の柱に移された。
第2、第3の柱の分野については、欧州議会、欧州委員会、欧州司法裁判所に与えられた権限は、欧州連合理事会のそれと比べると、まったくというほどではないが大幅に限定されたものである。第1の柱で図られているバランスは、欧州共同体によってなされていることから、しばしば「共同体の秩序 (community method)」と表現されることがある。