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1996年に放送された日本のテレビアニメ ウィキペディアから
『機動戦艦ナデシコ』(きどうせんかんナデシコ)はSF・ラブコメロボットアニメ。1996年(平成8年)10月1日から1997年(平成9年)3月25日までテレビ東京系で全26話が放送された。略称は「ナデシコ」。
1998年8月1日・8月8日には続編に当たる劇場用アニメ『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』が公開された。また劇場版の公開に合わせ、1998年7月31日から8月2日の3夜に亘りテレビ東京系深夜枠で『夏休み特別企画 機動戦艦ナデシコ傑作選』として一部が放送された。
2006年3月24日にHDリマスターDVD-BOXが発売された。これはキングレコード販売作品において、『新世紀エヴァンゲリオン』に続く第二弾のリマスタープロジェクトとなった。さらに2010年2月24日にはブルーレイBOXが発売された。
本作品は宇宙及び宇宙戦艦を主要な舞台としてリアルロボットが活躍するSFロボットアニメでありながら、ラブコメディー要素も取り入れた作品である。一見するとラブコメディー要素が強い作風だが、SF設定に関しては重厚な要素も含んでおり、伏線も何重にも張り巡らされているため読み解くのは難解なものとなっている。作品の起点としては、「ある意味ベタな、普通にマニアックな作品」(同作品のプロデューサーである大月俊倫が、本作品の監督である佐藤竜雄にアドバイスした)となっており、放送時期が近く度々比較対象に挙げられた『新世紀エヴァンゲリオン』とは全く異なっている方向性からスタートされている。漫画版でのタイトルは『遊撃宇宙戦艦ナデシコ』。
また、この作品は細部への偏執的とも言える拘りが特徴で、その最たるものは、劇中劇として度々登場する熱血巨大ロボットアニメ『ゲキ・ガンガー3』である。専門のチームまで編成され、1970年代のロボットアニメの味を忠実に再現し、本作のテーマ性を横から強く支えるものとなっている。
物語自体は、激化する戦争の結末や古代火星文明の謎などを描かないまま終了している。戦争の結末は、その後に公開された劇場版やゲームで補完されてゆく事になるが、謎は謎のままで残った部分も多い。これは、ストーリーエディター・會川昇が「考えられる要素を全て入れて」執筆した第25、26話脚本初稿の分量が通常の1.5倍から2倍にまで膨れ上がってしまい、「ユリカとアキトの決着だけはつける」という佐藤竜雄監督の方針により謎の説明の大半がカットされたためである[注釈 1]。脚本家として参加した首藤剛志はWEBアニメスタイル内の自コラム「シナリオえーだば創作術」にて「僕がシリーズ構成なら、100話以上は続くナデシコという戦艦を主人公……つまり、舞台が主人公という意味の集団群衆ドラマにするしかない」「映画で続編が作られたにしても、26話で終わらせるにはもったいない企画だった」と放送当時を振り返っている[1][2]。
日本神話の神々から引用した固有名詞が数多くある。漢字の多用など、SFとしては珍しい和風テイストの強い作品である。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
22世紀末。突如として木星方面より現れた謎の兵器群木星蜥蜴(もくせいとかげ)は、圧倒的な戦闘力で火星、月の裏側を次々に制圧。今や、地球各地にもチューリップと呼ばれる母艦を多数降下させるに至っていた。
2196年。そんな中に、木星蜥蜴の支配下に置かれた火星に残された人々を救うべく、民間企業ネルガル重工は「スキャパレリプロジェクト」を計画し、その要となる実験戦艦 ND-001 ナデシコの艤装を終了させていた。クルーには「能力が一流なら性格は問わない」と言う方針の下、一癖も二癖もある人物ばかりが揃えられた。
ナデシコ発進の日、火星生まれの青年テンカワ・アキトは、偶然再会した幼なじみミスマル・ユリカを追って出港直前のナデシコに乗り込む。アキトはコックとしてナデシコのクルーに採用されるが、IFS処理をしていたため、人型機動兵器「エステバリス」のパイロットとしても戦っていくことになる。
作品タイトルは、『宇宙戦艦ヤマト』と『機動戦士ガンダム』を合成した『機動戦艦ヤマトナデシコ』の連想から来ている[3]。ただし、作品内容は大月の好きな『スタートレック ネクストジェネレーション』をモチーフにしている[3]。
2005年8月9日には監督・佐藤竜雄の公式サイトで『機動戦艦ナデシコ』と『宇宙のステルヴィア』の続編制作中止と、その実現が「永遠に不可能になった」ことが発表された[4]。ただしこの発表の翌日10日に周囲の指摘等で「永遠に」の部分は取り消されている[4]。経緯については明言されていないが、両作とも作品そのものの問題ではないと述べられている[4]。
関連CDが累計62万枚、ビデオ関連が累計59万本販売(DVD-BOX、BD-BOXは除く)[6]。
2006年には文化庁メディア芸術祭10周年を記念して行われた「日本のメディア芸術100選」のアニメ部門で46位に選出された。
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 放送日 |
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1 | 『男らしく』でいこう! | 會川昇 | 佐藤竜雄 | はばらのぶよし | 後藤圭二 | 1996年 10月1日 |
2 | 『緑の地球』は任せとけ | 日下直義 | 江上夏樹 | 10月8日 | ||
3 | 早すぎる『さよなら』! | 大畑清隆 | 山岡信一 前田明寿 | 10月15日 | ||
4 | 水色宇宙に『ときめき』 | 荒川稔久 | 川崎逸朗 | 織田美浩 | 浜崎賢一 前田明寿 山岡信一 | 10月22日 |
5 | ルリちゃん『航海日誌』 | 首藤剛志 | 佐藤竜雄 | 杉島邦久 | 平岡正幸 | 10月29日 |
6 | 『運命の選択』みたいな | 會川昇 | 加戸誉夫 | はばらのぶよし | 門之園恵美 後藤圭二 | 11月5日 |
7 | いつかお前が『歌う詩』 | 土蛇我現 | 日下直義 | 江上夏樹 | 11月12日 | |
8 | 温めの『冷たい方程式』 | 佐藤竜雄 | 中津環 | 石井明治 | 11月19日 | |
9 | 奇跡の作戦『キスか?』 | 荒川稔久 | 川崎逸朗 | 星合貴彦 | 山岡信一 前田明寿 | 11月26日 |
10 | 『女らしく』がアブナイ | あかほりさとる | 土蛇我現 広田正志 | 日下直義 | 池上太郎 | 12月3日 |
11 | 気がつけば『お約束』? | 川崎ヒロユキ | 中原れい 大畑清隆 | 織田美浩 | 浜崎賢一 | 12月10日 |
12 | あの『忘れえぬ日々』 | 首藤剛志 | 広田正志 | 日下直義 | 江上夏樹 | 12月17日 |
13 | 『真実』は一つじゃない | 會川昇 | 剣地尚 | 水島精二 | 後藤圭二 山岡信一 前田明寿 | 12月24日 |
14 | 『熱血アニメ』でいこう(総集編) | はばらのぶよし | 近衛真守 | 12月31日[注釈 2] | ||
15 | 遠い星からきた『彼氏』 | 土蛇我現 前田光悦 | 日下直義 | 池上太郎 | 1997年 1月7日 | |
16 | 『僕達の戦争』が始まる | 佐藤竜雄 | 南康宏 | 江原仁 | 1月14日 | |
17 | それは『遅すぎた再会』 | 川崎ヒロユキ | 藤本義孝 | 織田美浩 | 浜崎賢一 | 1月21日 |
18 | 水の音は『私』の音 | 首藤剛志 | 広田正志 | 日下直義 | 江上夏樹 | 1月28日 |
19 | 明日の『艦長』は君だ! | 荒川稔久 | 桜井弘明 | 後藤圭二 石井明治 | 2月4日 | |
20 | 深く静かに『戦闘』せよ | 堺三保 | 土蛇我現 | 勝亦祥視 | 池上太郎 | 2月11日 |
21 | いつか走った『草原』 | 會川昇 | 中津環 | 星合貴彦 | 前田明寿 山岡信一 | 2月18日 |
22 | 『来訪者』を守り抜け? | 荒川稔久 會川昇 | 広田正志 | 前田光悦 | 江上夏樹 | 2月25日 |
23 | 『故郷』と呼べる場所 | 佐藤竜雄 | 桜井弘明 | はばらのぶよし | 浜崎賢一 | 3月4日 |
24 | どこにでもある『正義』 | 川崎ヒロユキ 會川昇 | 広田正志 | 日下直義 | 池上太郎 | 3月11日 |
25 | 『私らしく』自分らしく | 會川昇 | 佐藤竜雄 | 桜井弘明 | 前田明寿 山岡信一 | 3月18日 |
26 | 『いつか逢う貴女のために』 | 佐藤竜雄 | 後藤圭二 | 3月25日 |
プロジェクト:放送または配信の番組#放送に基づき、本放送期間内の放送局のみを記載しています。 |
発売日 | 収録話 | 規格品番(初回限定版) | 備考 | |
---|---|---|---|---|
1. | 1997年5月9日 | 第1話 - 第2話 | KIVA-321(KIVA-9321) | 初回限定版のみ絵コンテ集付き |
2. | 1997年6月4日 | 第3話 - 第6話 | KIVA-322 | |
3. | 1997年7月2日 | 第7話 - 第10話 | KIVA-323 | |
4. | 1997年8月6日 | 第11話 - 第14話 | KIVA-324 | |
5. | 1997年9月3日 | 第16話 - 第18話 | KIVA-325 | |
6. | 1997年10月3日 | 第19話 - 第22話 | KIVA-326 | |
7. | 1997年11月6日 | 第23話 - 第26話 | KIVA-327(KIVA-9327) | 初回限定版は完全設定資料集、収納BOX付き |
発売日 | 収録話 | 規格品番(初回限定版) | 備考 | |
---|---|---|---|---|
1. | 1997年5月9日 | 第1話 - 第2話 | KILA-321(KILA-9321) | 初回限定版は絵コンテ集、収納BOX付き |
2. | 1997年6月4日 | 第3話 - 第6話 | KILA-322 | |
3. | 1997年7月2日 | 第7話 - 第10話 | KILA-323 | |
4. | 1997年8月6日 | 第11話 - 第14話 | KILA-324 | |
5. | 1997年9月3日 | 第16話 - 第18話 | KILA-325 | |
6. | 1997年10月3日 | 第19話 - 第22話 | KILA-326 | |
7. | 1997年11月6日 | 第23話 - 第26話 | KILA-327(KILA-9327) | 初回限定版は完全設定資料集、収納BOX付き |
他にもテレビ版および劇場版は以下のスーパーロボット大戦シリーズなどのクロスオーバー作品に登場している。
メーカーは全てSANKYO系列の企業。
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