摩利支天
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摩利支天(まりしてん, 梵: Mārīcī[1]、マーリーチー[1][2]、訳:陽炎、威光[3])は、仏教の守護神である天部の一尊。梵天の子、または日天の妃ともいわれる[3]。摩里支菩薩、威光菩薩とも呼ばれる[2]。
摩利支天(マーリーチー)は陽炎、太陽の光、月の光を意味する「マリーチ」(Marīci)を神格化したもの[1]で、由来は古代インドの『リグ・ヴェーダ』に登場するウシャスという暁の女神であると考えられている[4]。陽炎は実体がないので捉えられず、焼けず、濡らせず、傷付かない。隠形の身で、常に日天の前に疾行し、自在の神通力を有すとされる。これらの特性から、日本では武士の間に摩利支天信仰があった。また、斗母元君は摩利支天を中国の道教に引き入れた神で、西王母と比肩する高位の女神である。