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写真のジャンル ウィキペディアから
建築写真(けんちくしゃしん)とは、文字通り、建築物(建物)を撮影した写真のことである。建築物を風景や都市の一部として捉えて撮影された場合には、風景写真や都市写真であるとも、建築物の機能等に視点をおいて撮影される場合には、科学写真であるともいえる。しかし、最も純粋な意味での建築写真は、建築物のデザインを見る者に伝えることを目的としている。
建築写真家、建築家と不動産業者は、写真によって異なる要望を持っている[1]。
手法としては、一般的には、ストレートフォトグラフィが取られるが、デザインの忠実な伝達を目的としない場合には、ピクトリアリスム等が採用されることもある。ただし、一見ストレートフォトグラフィ的な手法を取るものであっても、建築写真はその建築物自体の正しい見え方を写し取ったものとは必ずしも言えない。例えば、その構図としては、建物外観については二点透視図法、内観においては一点透視図法的な、いいかえれば静的かつ説明的ものが好まれ、あおりの調整によって垂直方向のパースペクティブを修正されるケースが殆んどである。また、どうしても写り込んでしまう人物や電柱や電線などを消去する作業が行われることも多い。さらに、公共的な施設であっても、極度に人物が少ない状況、もしくは全く居ない状況で撮影が行われる事が多い。これは、設計した建築家の設計時における設計意図を明確に表現するためだが、一方でこのような建築写真の恣意性や、硬直化・マンネリ化した表現を批判する意見もある。
建築写真は撮影される目的により大きく二つに分類される。
建築写真は、主にその撮影地点によって分類できる。
他に、建物の細部(ディテール)をクローズアップしたものが撮られる場合もある。
また、撮られる時間帯によっても分類できる。
昼景の場合は建物内部が、夜景の場合は建物の外観が見えづらくなるため、外観と照明の状況の両方が記録できる薄暮の時間帯を狙って撮影が行われる事がある。
著名な日本の建築写真家としては、二川幸夫が挙げられる。彼は自ら建築雑誌"GA"を発行して写真を発表するだけでなく、誌上にて活発な建築批評を行っており、建築ジャーナリズム界において重要な位置を占めている。また、建築専門のギャラリーや建築専門書店を経営するなどの活動も行っている。一般に、他分野の写真家が建築写真を撮影することは稀だが、近年では篠山紀信やホンマタカシ等の写真家が撮影したケースもあり、これは前述のマンネリ化から切り離れた写真が要求された結果と考えられる。
(一般に建築写真家としては認識されていないが、建築写真を撮ったことのある写真家、もしくは被写体として建築物を好む写真家・美術家のリスト)
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