廃棄物処理
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廃棄物処理(はいきぶつしょり)は、廃棄物の分別、保管、収集、運搬、再生、焼却、処分等の一連の取り扱いをいう。再生は「廃棄物から原材料等の有用物を得ること、または処理して有用物にすること」と定義される。処分には減量・減容化、安定化・無害化等を目的とする中間処分と、埋立による最終処分がある。[1][2] 廃棄物処理のコントロールは、排出量規制や処理コストの負担の義務付けなどの法令と、補助金やデポジットリファンドなど何らかの経済的インセンティブによってなされる。[3]
廃棄物は場合によっては人間の健康と環境に悪影響を及ぼすので[4]、廃棄物管理の目標はそれら悪影響を減少させることにある。廃棄物管理の大部分は、産業廃棄物および一般家庭の活動によって生じる都市廃棄物であるが、[5][6] その他生物学的廃棄物、医療廃棄物、放射性廃棄物を含むあらゆる種類への対処が要求される。廃棄物管理の行政サービスには、効率的で持続可能で社会的にサポートされた統合されたシステムが必要とされる。[7] 廃棄物管理の実践は国々や地域によって統一されておらず、一般家庭廃棄物と産業廃棄物でも異なる。[8]
国連環境計画の2024年2月の報告[9]によれば、2023年に人類は23億トンの廃棄物を発生させ、2050年には38億トンに達すると見積もっている。2020年度は廃棄物処理に係る直接経費に加え、環境汚染や健康被害に対する対策費用を合わせるとその廃棄物関連費用は3億6100万USドルであった。そこから見積もると、激増する廃棄物問題に何らかの対策を緊急に講じない限り、2050年にはその費用は6億4030万USドルに達するとしている。