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1939-, 映画監督、タレント、俳優、リポーター。 ウィキペディアから
山本 晋也(やまもと しんや、本名:伊藤 直(いとう ただし)、1939年〈昭和14年〉6月16日 - )は、日本の映画監督、タレント、俳優、リポーター。東京市神田区(現:東京都千代田区)出身。愛称は「カントク」。サングラスにちょび髭がトレードマーク。口癖は「すごいですねぇ」「ほとんどビョーキ」。現在、毒蝮三太夫が所属するまむしプロダクションと業務提携をしている。
神田生まれの江戸っ子ということもあり、中学時代から落語が好きで寄席に通っていた[1]。早稲田高等学校を経て、1963年に日本大学芸術学部演劇学科に入学。学生運動が激しかった時代だが、山本は当時、右翼学生の立場だったという。後に視野が広がり、左派的な平和主義の立場にかわっている。日大を卒業後、日本教育テレビ(現:テレビ朝日)のアシスタントディレクターを務めた後、1964年、岩波映画製作所にて羽仁進に師事して助監督となる[2]。初監督作品は成人映画の『狂い咲き』(1965年)で、以後多数のピンク映画作品を手がける[3]。1960年代から1970年代にかけて、約250本の作品を撮影した[4]。
中でも「未亡人下宿」シリーズは外部買取作品ながらもにっかつのドル箱作品となり続編も作られ、ピンク映画のヒットメーカーとして一躍脚光を浴びる。ピンク映画から一般映画に進出した先駆者の一人であり、その喜劇演出は助監督だった滝田洋二郎にも影響を与えたといわれるが、その後タレント業が中心となったこともあって、映画監督としての体系的な評価はまだ十分に行われていない。高橋伴明、若松孝二らの作品が評価されているのに対し、山本の作品はDVD化が少なく、正当に評価されていない。
上記の『狂い咲き』は、松井康子主演のスリラー仕立てのシリアスな作品だった[1]が、その後の作品の多くはコメディータッチだった。このことから山本は、「“ピンク・コメディー”というジャンルを開拓したパイオニア」とも評されるようになる[1]。中でも「未亡人下宿」シリーズは外部買取作品ながらもにっかつのドル箱作品となり続編も多数作られ、ピンク映画のヒットメーカーとして一躍脚光を浴びる。
1965年頃、銭湯を舞台にしたドラマ『時間ですよ』が人気となったが、放送コードの関係で女湯の裸のシーンはチラ見せ程度だった。そこで山本が「だったら俺の映画でたっぷり見せてやろうじゃないか」と意気込んで制作したのが、1969年のピンク映画『女湯物語』である[注釈 1]。
代表作となる『女湯物語』『痴漢』『未亡人下宿』シリーズなど、強い女に虐げられる弱い男の嘆きを好んで描いてきた[1]。山本自身恐妻家であることから、このような作品作りになったという[1]。山本は役者たちのアドリブを重視しており、自身の作品では好きに喋ってもらって動き回ってもらっているとのこと[1]。
成人映画のみならず、『下落合焼とりムービー』(1979年、企画・脚本:赤塚不二夫)や『欽ちゃんのシネマジャック』(1993年、企画:萩本欽一)などの一般作品も制作した。映画監督時代の山本は「怖かった」との人物評で共通し、門下生の井筒和幸など山本を尊敬する者もいる。
成人映画で名を上げた後は、テレビ番組にも進出。テレビ朝日の深夜番組『トゥナイト』『トゥナイト2』に通算で約21年間出演し、主に性風俗関係の話題をリポートした。テレビ進出で山本の知名度はさらに上昇し、性風俗に関するルポルタージュは後のライフワークともなる。この番組で生まれた「ほとんどビョーキ」というフレーズは流行語に取り上げられるほど有名となった。1990年には、厚生省エイズ撲滅広報委員に就任する。
『トゥナイト2』終了後、テレビ朝日のワイドショー『ワイド!スクランブル』にコメンテーターとして出演し、水曜特集コーナーでは「山本晋也の人間一滴」(かつては通称「監督のコーナー」)と題して自ら取材している。社会問題や芸能、在日コリアンの現状を扱うことが多い。元赤軍派の塩見孝也とも対話するなど、山本の幅は広い。
2003年、番組の企画で北朝鮮へ渡り平壌の様子を伝えて以来、エイズなどの社会問題に少なからず関心を持っていたこともあってジャーナリストを自称する。番組では北朝鮮関連の話題を中心に伝えるようになった。2004年9月12日から20日まで平壌で開催された第9回平壌映画祭にも出席し、同映画祭を評して「商業主義的なアメリカのアカデミー賞とは歴然の差があり、理想を持った祭典でアジアの誇りである」と語っている。
2002年よりブロードバンド映像コンテンツ『山本晋也のランク10国』を開設し、『トゥナイト』時代の同僚リポーターであった乱一世らと風俗や映画、社会現象などのサブカルチャー的内容を配信する。7代目(自称5代目)立川談志の創設した落語立川流Bコース(著名人コース)に入門して、立川談遊との高座名を名乗った時期もある。
★印の作品はDVD化されている(2019年現在、廃盤の物も含む)。
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