『奇人探偵 銀鼠』(きじんたんてい ぎんねずみ)は、高口里純による日本の漫画作品。『ほんとうに怖い童話』(ぶんか社)にて、2014年6月号、8月号、2014年10月号、2015年4月号に掲載され、ぶんか社コミックスより全1巻にまとめられた。
明治時代、探偵・銀鼠の活躍と、人の心の闇が描かれる。
- File.1 グロテスク
- 旧華族・外庭家の長女である架浬子の婚礼間近、外庭家の跡取り息子である、弟の美比古が焼身自殺した。架浬子の婚礼後、外庭家を訪ねた探偵・銀鼠は、頭部が火傷だらけで包帯を巻いた架浬子の姿を目の当たりにする。
- File.2 アナモル・フォーシス
- 宝塚家の美人三姉妹は、次々と樫の木正種に嫁ぐ。
- File.3 ロカトール
- 山の手で妊婦が行方知れずとなった事件が起きた。
- File.4 ラスト・エンジェル
- 銀鼠と毛利警部とが初めて出会った事件。
- 銀鼠(ぎんねずみ)
- 探偵。事件の推理、解決よりも、人の心への好奇心で探偵業をしている。
- 毛利 兼継(もうり かねつぐ)
- 警部。銀鼠に情報を与える。
- 外庭 架浬子(とば かりこ)
- 外庭家の長女。美比古の姉。銀鼠に自分の婚礼の間近に起きた、美比古の焼身自殺の真相の解明を依頼するが断られる。その後、予定通り赤石静馬との婚礼を挙げる。直後、生きていた美比古によって地下牢に閉じ込められる。だが、じいやと静馬を味方につけ、美比古を男に戻し、外庭家の使用人とした。
- 外庭 美比古(とば よしひこ)
- 外庭家の跡取り息子。架浬子の弟。昔からの風習で、生まれてからずっと女装し女として生きてきた。架浬子の婚礼間近、突然家族から「男に戻って架浬子の婚礼に出席しろ」と言われたのだが、男に戻るのが死ぬ程辛く、それを拒んだ。そして内密の恋人だった川江清志を殺して焼き、自分の焼死体だと見せかけた。
- 女として生きたいと思い、架浬子の婚礼直後、架浬子を地下牢に閉じ込め、架浬子の身代わりになって静馬と暮らそうとした。そして架浬子の身代わりだとバレないように顔を焼いた。しかし架浬子の逆襲に合う。
- 赤石 静馬(あかいし しずま)
- 美比古の焼身自殺事件のすぐ後、架浬子と婚礼した。美比古に架浬子を隠されたが、美比古の境遇を不憫に思い、美比古を架浬子として扱った。その事を架浬子に許されたので、美比古に身代わりを止めさせ男に戻すことに協力した。
- じいや
- 外庭家に長く勤めている使用人。美比古に負い目を感じ、命令され、架浬子を地下牢に閉じ込めた。
- 川江 清志(かわえ きよし)
- じいやの甥。女装の美比古を女だと思い込み、内密に恋人となっていた。しかし美比古が男だと知ると拒絶したため、美比古に殺された。死体を焼かれ、美比古の焼身自殺の死体だとされた。
- 樫の木 正種(かしのき まさたね)
- 男前の子爵。27歳。美しい女性の心の美しさを見定めるために、開かずの間の鍵を渡し「入ってはいけない」といいつけ、反応を見る。
- 宝塚 貴ゑ(たからづか きえ)
- 宝塚家の美人三姉妹の三女。姉達の復讐のために、樫の木正種の三人目の妻となる。銀鼠に「二人の姉の無念を晴らして欲しい」と依頼した。
- 宝塚 美緒(たからづか みお)
- 宝塚家の長女。樫の木正種の一人目の妻。屋敷の階段から落ち首を折って死亡。不慮の死とされる。
- 宝塚 沙保理(たからづか さほり)
- 宝塚家の次女。樫の木正種の二人目の妻。増水した川で溺死。不慮の死とされる。
- 銀狼(ぎんろう)
- 代言人(弁護士)。銀鼠の双子の兄。見分けが付かないほど銀鼠と似ている。
- つや
- 銀鼠の妻。
- 唐沢 頼来(からさわ らいら)
- 唐沢東木の娘。
- 唐沢 真理絵(からさわ まりえ)
- 唐沢東木の妻。
- 唐沢 東木(からさわ とうぼく)
- 名の知れた画家。
- 大森 晃造(おおもり こうぞう)
- 唐沢東木の内弟子で頼来の婚約者だった。