境界性パーソナリティ障害
精神医学的障害のひとつ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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この項目では、DSMの分類である境界性パーソナリティ障害について説明しています。広義の疾患概念である境界例については「境界例」をご覧ください。 |
境界性パーソナリティ障害(きょうかいせいパーソナリティしょうがい、英: borderline personality disorder ; BPD)は、境界性人格障害、境界型パーソナリティ障害、情緒不安定パーソナリティ障害(じょうちょふあんてい - 、emotionally unstable personality disorder)と呼ばれる人格障害の精神疾患[1][2]。境界性の由来は「神経症」と「統合失調症」という2つの精神疾患の境界にある症状であることからである。 例えば、境界性パーソナリティ障害患者における「強いイライラ感」は神経症的な症状で、「現実が冷静に認識できない」という症状は統合失調症的なものである。境界性パーソナリティ障害は気分の波が激しく感情が極めて不安定で、良い・悪いなどを両極端に判定したり、強いイライラ感が抑えきれなくなったりする症状を示す[2]。不安定な自己 - 他者のイメージで対人関係が不安定で特定の他者に見捨てられないことに固執、自己の感情や思考の制御不全、衝動的なリストカットや大量服薬など自傷行為・自己を損なうような性的逸脱行為やドラッグ服用・過食など自己破壊行為などを特徴とする障害である[3][4][5][2]。一般では英名からボーダーライン、ボーダーと呼称されることもある。旧来の疾患概念である境界例が指す症状とされ、1980年に発表された『精神障害の診断と統計マニュアル』第3版(DSM-III)では、これまでの境界例の議論から2つの群として取り出され、統合失調症との近縁性のある統合失調型パーソナリティ障害と、対人関係の不安定性や傷つきやすさが焦点となる境界性パーソナリティ障害が分類された[6]。
境界性パーソナリティ障害 | |
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概要 | |
診療科 | 精神医学, 臨床心理学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | F60.3 |
ICD-9-CM | 301.83 |
MedlinePlus | 000935 |
eMedicine | article/913575 |
Patient UK | 境界性パーソナリティ障害 |
MeSH | D001883 |
症状は青年期または成人初期から多く生じ[7]、30代頃には軽減してくる傾向がある。自傷行動、自殺、薬物乱用リスクの高いグループである[4]。治療は精神療法(心理療法)を主とし、薬物療法は補助的に位置づけられ副作用と薬物乱用に注意し慎重に用いられる必要がある[7]。具体的な治療法については、「境界性パーソナリティ障害#治療」を参照。