圧縮アーティファクト
ウィキペディア フリーな encyclopedia
圧縮アーティファクト(あっしゅくアーティファクト、英語: compression artifact)とは、非可逆圧縮の適用によって引き起こされるメディア(画像、音声、映像)の顕著な歪みである。単にアーティファクトともいい、日本語ではアーチファクトとも表記・発音される。
非可逆圧縮では、必要なディスクスペースに格納するか、帯域幅(ストリームされるメディアのビットレート)の制限内で送信(またはストリーミング)するのに十分なように、メディアのデータの一部が破棄される。圧縮機構にて、圧縮されたデータから元のデータを再現するのに十分なデータを生成できなかった場合、再生時に品質の低下もしくは圧縮アーティファクトが現れることになる。あるいは、圧縮アルゴリズムは、主観的に重要でない歪みと視聴者にとって不快な歪みとを区別するのに十分にインテリジェントではないかもしれない。
圧縮アーティファクトは、DVD、JPEG、MP3、MPEGなどの一般的なコンピュータファイルフォーマット、ミニディスクフォーマットなどのコンパクトディスクの代替品など、多くの一般的なメディアで発生する。非圧縮メディア(レーザーディスク、オーディオCD、WAVファイルなど)や可逆圧縮メディア(FLAC、PNGなど)は、圧縮アーティファクトの影響を受けない。
知覚可能な圧縮アーティファクトの最小化は、非可逆圧縮アルゴリズムを実装する際の重要な目標である。しかし、圧縮アーティファクトは時には、グリッチ・アート[1]やデータモッシュ[2]として知られるスタイルで芸術的目的のために意図的に制作される。
技術的に言えば、圧縮アーティファクトは、通常、非可逆圧縮における量子化(英語版)の結果である、特定のクラスのデータ誤りである。変換符号化(英語版)が使用される場合、それらは、通常、符号化器の変換空間の基底関数の1つの形式をとる。