国際非政府組織
ウィキペディア フリーな encyclopedia
国際非政府組織(こくさいひせいふそしき、INGO: international non-governmental organization)とは、非政府組織(NGO)の概念を世界規模に拡大したものである。国際NGO(international NGO)ともいう。
NGOは政府から独立しており、特定の目標を持って政府に影響を与えることを目的とする「アドボカシーNGO」(advocacy NGO)と、サービスを提供することを目的とする「オペレーショナルNGO」(operational NGO)の2種類に分けることができる[1]。NGOの任務の例としては、環境保全、人権推進、女性の地位向上などが挙げられる。NGOは一般的に非営利であるが、企業などからの寄付や会費により活動資金を得ている[2]。多くの大規模なINGOでは、各国で協力して活動する運営プロジェクトやアドボカシー活動が組織されている。
「国際機関」(international organizations)という用語は、一般的には政府間組織(IGO)のことを指し、主権国家間の条約によって形成される国連や国際労働機関などが含まれる[3]。これに対し、INGOは「政府間協定によって設立されていない国際的に活動する組織」と定義されている[4]。
INGOには、カーネギー財団、ロックフェラー財団、ゲイツ財団、フォード財団などの民間フィランソロピーによって設立される場合もあれば、カトリック教会やルーテル教会などの既存の国際組織の補助組織として設立される場合もある。第二次世界大戦中に経済開発を目的としたINGOが急増し、その中には、SOS子供の村、オックスファム、カトリック救援事業会(英語版)、国際ケア機構、ルーテル教会世界救援団(英語版)のような後に大規模な組織になったものもある。INGOの数は、1990年の6,000件から1999年には26,000件に増加し、2013年の報告書では約40,000件と推定されている[5]。
国内法の下での法人化は別として、INGOには現時点で正式な法的地位は存在せず、これが問題の原因となる可能性がある。