吉本興業札幌支社(よしもとこうぎょうさっぽろししゃ)は、日本の芸能プロダクション吉本興業の札幌市中央区にある事務所。サッポロファクトリー一条館3階に所在している。通称は札幌吉本(さっぽろよしもと)。札幌市の劇場などの北海道地区各劇場を中心に活躍している。
吉本の札幌進出のきっかけとなったのは、1991年に家庭の事情により大阪から北海道に転居していた落語家の桂小つぶ(現・四代目桂梅枝)であった[1][2]。初代所長は心斎橋筋2丁目劇場の支配人だった木山幹雄[3]。1994年に大阪から笑ハンティングを呼び、事務所を設立。第1期オーディションを開催し、タカアンドトシ・アップダウン・マッサジル(元まさまさきのり)らを輩出した。1990年代後半には、東京吉本で活躍していたモリマンがUターン所属した。
1998年に比企啓之が所長に就任し、1999年から2002年まで、マイカル小樽(現・ウイングベイ小樽)にあったテーマパーク「観光名所小樽よしもと」を運営した[4]。2007年9月30日までは吉本興業札幌事務所だったが、同年10月1日の吉本興業の持株会社化に伴い、新設子会社の同社に移行した。
2010年6月、よしもとクリエイティブ・エージェンシー札幌支社と改称。
2019年6月、親会社の社名変更(吉本興業→吉本興業ホールディングス)に伴い、吉本興業札幌支社と改称。
第1期オーディションはフジテレビ系列局である北海道文化放送(UHB)の番組「トミーズのよしもとのもと」内で行われ、以来UHBとは「笑道」の放映をはじめ所属芸人の出演番組の制作が多く、親密な関係にある。
かつては札幌市中央区の札幌市電沿線に常設劇場「電車通り8丁目スタジオ」を持っていたが2004年頃に閉鎖され、以後はノルベサのイベントスペースや琴似駅のターミナルプラザことにパトス、狸小路のサツゲキ(旧称:メッセホール、BFHホール、札幌プラザ2・5)、BLOCHなどの貸ホールをライブの拠点としている。
所属するには主にオーディションライブに合格する必要があったが、2020年にNSC札幌校が開校するにあたり行われていない。
定期ライブ
- サツヨシネタバトル(主に札幌市民交流プラザ・クリエイティブスタジオ)
- サツヨシライブ笑道黒帯・白帯(主にBLOCH)
- 笑道の後継ライブ。ネタバトルのランキングによって「黒帯」と「白帯」に振り分けられる。アマチュアの出場は受け付けていない。
- サツヨシゲストライブ(BLOCHまたはザ・ルーテルホール)
- NEW WAVE LIVE(主にBLOCH)
- サツヨシお笑い研究所(主にBLOCH)
- 企画ライブ。テーマは「大喜利」「賞レースへの道」「ユニットコント」など。
過去の定期ライブ
- 笑道(毎月1回、主にターミナルプラザことにパトス)
- 2部制で昇格・降格のあるライブ。「黒帯」と「白帯」に分かれ、「白帯」ステージではアマチュアの出場も受け付けている。2020年2月終了、3月までは北海道文化放送にて地上波放送があった。
- ネタとコーナーのライブ(毎月1回、主に札幌プラザ2・5)
- ramchop(不定期水曜日、サッポロファクトリー)
- 札よしと○○のお笑いライブ→GORIGORI吉本(毎月1回、主に札幌プラザ2・5→コンカリーニョ→サツゲキ)
- 2019年開始。東京もしくは大阪からゲストを招いての合同ライブ。
芸人
NSC札幌校出身者
- NSC札幌1期生
- NSC札幌2期生
- NSC札幌3期生
- 秘蔵(ジャンゴ、武蔵)
- なかもりあや
- 電人バンド(浦谷くじら、オーセコ)
- 三上由貴[注 5]
- 暮花火(タダヨシ[注 6]、サカヅメ)
- NSC札幌4期生
- 先入観(渡辺しょうま、たくま.inc)
- ガイス
- 植田康生
概要
- 2020年4月開校。吉本興業が設立した養成所『吉本総合芸能学院』(通称NSC)の地方校にあたる。
- 授業は毎週土日に北海道札幌市中央区北1条東4丁目1サッポロファクトリー一条館3階にある札幌吉本の事務所で行われる。授業が土日のみのため、東京校・大阪校より学費が安い。
- 月に1回、はしもとこうじ講師によるマンツーマンのネタ見せ授業がある。
- 授業によっては福岡校・沖縄校・名古屋校・広島校との合同オンライン授業もあり、他校との交流も可能。
- 在学生はフリー芸人扱いとなり、賞レースへのエントリーやインディーズライブへの出演も可能。
- 卒業公演では在校生で吉本新喜劇を行うのが恒例となっている。
- 年間スケジュール
- 5月 入学式・ネタ作り
- 6月 芸人の基礎・ネタ見せ開始
- 9月〜11月 中間発表ライブ
- 2月 NSC大ライブTOKYO
- 3月 卒業発表ライブ
- カリキュラム
- ネタ作り・ネタ見せ
- 発声・演技
- 動画制作
- 芸人講義
- 講師
- はしもとこうじ(構成作家)
- 中村元樹(構成作家)
- 砂川一茂(構成作家)
- 藤村徹哉(フリーディレクター)
- 龍見(タレント・芸人)
卒業生
卒業生に関しては各期の卒業公演出演者を参照。
さらに見る 期, 卒業生 ...
期 | 卒業生 | 備考 |
1期生 |
すごい髙橋 |
旧芸名『髙橋』 |
アライヒカリ |
|
亀田カオマンガイ |
卒業後吉本へは所属せず上京し、舞台役者や『じょゆだら』『めしのくに』などのユニットで活動 |
川崎 |
卒業後は札幌吉本のスタッフとして札幌吉本YouTubeの動画編集などを担当 |
ほか未所属引退者2名。 |
2期生 |
佐々木拓杜(ねこ超人) |
|
すみたす(よせあつメン) |
元『くびったけ』すみゆう 中標津で酪農やります芸人 |
たいよう(華花クラッツ) |
元『ボンクラ亭』 |
ザキ(華花クラッツ) |
元『二重窓あけおしめ子』あけお、元ピン芸人『ザキール』 |
本間ちゃん |
元『ボンクラ亭』 退社後アマチュア芸人へ |
しめ子 |
元『二重窓あけおしめ子』、退社・引退 |
ギョウ |
元『くびったけ』、退社・引退 中標津で酪農やります芸人 |
星山琢磨 |
退社・引退 |
3期生 |
前田タクミ(ぷれはぶ) |
東京吉本所属 |
大誉(ぷれはぶ) |
東京吉本所属、旧芸名『次元』 |
青井とっち(エトラット) |
元『激チャリ』とっち、元ピン芸人『ビッグボイス☆とっち』 |
ジャンゴ(秘蔵) |
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武蔵(秘蔵) |
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なかもりあや |
元『補色』 |
浦谷くじら(電人バンド) |
旧芸名『ウラタニ』 |
オーセコ(電人バンド) |
|
三上由貴 |
旧芸名『恥晒し骸骨ドブ達磨』 |
サカヅメ(暮花火) |
元『補色』 |
夜芯(トランプリン) |
旧芸名『ヤシン』 卒業後吉本へは所属せずフリーで活動後上京しワタナベコメディスクール(40期)へ入学 |
アシタバチカ |
元『激チャリ』、退社・引退 |
ほか未所属引退者1名。 |
4期生 |
サバツナ鈴木 |
東京吉本へ移籍、デビュー時の芸名は『鈴木ツナ』 |
渡辺しょうま(先入観) |
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たくま.inc(先入観) |
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ガイス |
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植田康生 |
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- NSC大ライブTOKYO出演者
- 【2021:1期生】匿名スカンク、まる
- 【2022:2期生】ボンクラ亭、二重窓あけおしめこ
- 【2023:3期生】ぷれはぶ、秘蔵、恥晒し骸骨ドブ達磨
- 【2024:4期生】先入観、ひとくちの季節、ツナ
表記は在学当時のものに準ずる。
卒業生の主な出演
- テレビ
- ラジオ
- むらラジOH!(さっぽろ村ラジオ)
水曜レギュラー:すごい髙橋、アライヒカリ
- 夕方よしもと(さっぽろ村ラジオ)
週替わりレギュラー:佐々木拓杜(ねこ超人)、すみたす(よせあつメン)、華花クラッツ
- NEW WAVE すごいアラ波(さっぽろ村ラジオ)
メインパーソナリティ:すごい髙橋、アライヒカリ
週替わりアシスタント:佐々木拓杜(ねこ超人)、すみたす、ザキ(華花クラッツ)、秘蔵、補色、とっち(激チャリ)、電人バンド、恥晒し骸骨ドブ達磨
- CM
- ライブ・イベント
- ジンギス談!寄席2024(2024年6月23日)
秘蔵、電人バンド
- 真空ジェシカのイベン父ちゃん・北(2024年3月22日)
秘蔵
- 真夏の真空ジェンゴ(真空ジェシカとのツーマンライブ、2024年8月9日)
秘蔵
- 秘電春(はるかぜに告ぐとのスリーマンライブ、2024年8月24日)
秘蔵、電人バンド
- 【夏笑】札幌よしもと×KiKiYOCOCHO夏休み企画(札幌PARCO、2022年7月29日〜8月9日)
アライヒカリ
- 【冬笑】<札幌よしもと>キキヨコチョ劇場化計画(札幌PARCO、2023年1月13日〜15日)
すごい髙橋、アライヒカリ、ボンクラ亭、ザキール、すみたす
- 【笑店】(2023年5月3日〜7日)
アライヒカリ、佐々木拓杜(ねこ超人)、ボンクラ亭、ザキール、秘蔵、補色、激チャリ、電人バンド、恥晒し骸骨ドブ達磨
- 【冬笑】札幌よしもと×KiKiYOCOCHOコラボ企画<キキネタGP>(札幌PARCO、2024年1月10日〜16日)
アライヒカリ、佐々木拓杜(ねこ超人)、すみたす(よせあつメン)、華花クラッツ、秘蔵、なかもりあや、激チャリ、電人バンド、恥晒し骸骨ドブ達磨、サカヅメ(暮花火)
- ご自愛ヨコチョ(札幌PARCO、2024年5月30日)
アライヒカリ
- その他
- マイカル小樽に「観光名所小樽よしもと」を運営していた時代は、東京から1組や大阪から1組若手芸人が住み込みで派遣されており、ピース結成前の又吉直樹(線香花火)や、こぶしとザンギ(現平成ノブシコブシ)、瀬沼松村、HABA-HABA、バーチャルトーイ(現烏龍パーク)、ファミリーレストラン、チャリパンク、ツインズ(現ギャロップの毛利)などが滞在した[14]。
- 「観光名所小樽よしもと」閉館後にできたMr.マリックプロデュース「小樽超魔術館」は小樽よしもとと支配人が同じであり、スキンヘッドカメラ岡本(当時「ビックシティ」)[15]や当時ピン芸人だったトム・ブラウン布川[16]がアルバイトをしていたと明かしている。
なお、跡地に2009年にできた「市民劇場ヲタル座」は小樽よしもと時代のステージを使用している。
- 同じく北海道を本拠とする芸能事務所であるCREATIVE OFFICE CUEとはあまり友好的ではなく、所属タレント同士がローカル番組で共演する機会は少なかった。東京本社所属の今田耕司は、オフィスキューに所属するTEAM NACSの影響で「吉本が入っていけないんですよ、札幌支社が」、「タカトシを連れて行ってなんとか北海道をこじ開けようと」対抗していると話し、TEAM NACSメンバーの安田顕は「(オフィスキューと)せめぎあいです」、「そうはいくかというオフィスキューもあり」と話していた[17]。2020年以降は「ブラキタ」「いまなにしてる?」(ともに北海道放送)など所属タレントが共演する番組が少しずつ増えている。
- これまでにM-1グランプリファイナリストを3組輩出している(タカアンドトシ、トム・ブラウン布川、錦鯉長谷川)。
“木村政雄の事務所”. www.km-jimusho.com. 2023年10月6日閲覧。
“学院紹介”. NSC札幌校. 2024年8月25日閲覧。
注釈
以前は芸人枠であったが、現在はアニメ・漫画関連のイベントMCやラジオDJがメインとなっていることからこの肩書に変更された。
NSC札幌3期出身。卒業後、札幌吉本へは所属せず東京吉本へ所属。
芸名の通り、事務所主催のバスツアーの添乗員兼MCとして所属しており、舞台には立たない。退社前は札幌吉本が主催するライブの受付を担当していた。