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『去年マリエンバートで』(きょねんマリエンバートで、L'Année dernière à Marienbad)は、1961年公開のフランス・イタリア合作映画。アラン・ロブ=グリエによる脚本をアラン・レネが監督したモノクロ映画である。1961年、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞。日本公開は1964年5月。
去年マリエンバートで | |
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L'Année dernière à Marienbad | |
監督 | アラン・レネ |
脚本 | アラン・ロブ=グリエ |
製作 |
ピエール・クーロー レイモン・フロマン |
出演者 | デルフィーヌ・セイリグ |
音楽 | フランシス・セイリグ |
撮影 | サッシャ・ヴィエルニ |
編集 |
アンリ・コルピ ジャスミーヌ・シャスネ |
配給 |
コシノール 東和/ATG |
公開 |
1961年6月25日 1964年5月2日 |
上映時間 | 94分 |
製作国 |
フランス イタリア |
言語 | フランス語 |
脚本のロブ=グリエ自身の言によれば、黒澤明監督の『羅生門』に触発されて作られた作品である。[要出典]より正確に言うならば、芥川龍之介の『藪の中』を下敷きにした作品群の一つといえる。[独自研究?]
ココ・シャネルが衣装をデザインしたことでも有名。
2019年10月25日より、YEBISU GARDEN CINEMAにて4Kデジタル・リマスター版が公開された。
主人公の男Xは、女Aと再会する。Xは去年マリエンバートで会ったと語りかけるのだが、Aは記憶していない。しかし、AはXの話を聞く内に、おぼろげな記憶を取り戻していく。Aの夫であるMは、「去年マリエンバートで」実際に何が起こったのか知っている。
後年、脚本を担当したアラン・ロブ=グリエがこの映画の仕掛けについて語っている。[要出典] それによると、黒澤明の『羅生門』がモチーフとなっており、[要出典]最初に、
の4本の脚本が作られ、それらをバラバラにつなぎ合わせて、最終的な脚本が完成したという。その際に、それぞれの場面が1から4のどの脚本に該当するのかがなるべくわからないように慎重につなぎ合わされ(時間軸の入れ替えも行われている)、最終的に完成した脚本はダイヤグラムシートを伴う[1]、非常に複雑なものになった。[注 1]
さらに、このダイヤグラムシートは一部のスタッフにしか知らされていなかった。出演者はしばしば自分が何を演じたらいいのかわからず、混乱状態に陥ったが、それも全て内容をより効果的にするための計算であった[4]。
ただ、服装やセットなどは明確に1から4の脚本で区別されていて、注意深く見れば、どの場面が1から4の脚本のどれに当たるのか判別できる仕掛けになっている。
結果として、ロブ=グリエ曰く「非常に緻密に計算された作品で、曖昧さのかけらもない」作品になった。[要出典]
スクリプト担当を務めたシルヴェット・ボードロへのインタビューによれば、この映画は「昨年」の5日間の出来事と「現在」の7日間の出来事を描いたものであり、430のシーンで構成され、「昨年」と「現在」の間を往還しながら筋が進むという[注 2]。
ゲームの名前はニムと言い、数多くのバリエーションがあるが、いずれも法則性があり、必勝法が存在する(二進排他的論理和を利用。詳細はニムの英語版を参照)。映画の中では、XとMが繰り返し対戦するが、XはMに勝つことが出来ない。必勝法のことを知っていたある記者が、「このゲームは二人の関係性を示す暗喩ですか」とレネ監督に尋ねたところ、レネは「あのゲームはMのXに対する優位性を示すために取り入れた物だが、必勝法のことは知らなかった。しかし、面白い偶然だ」と答えたという。[要出典]
この映画を題材としたジョーク。アラン・ロブ=グリエ自身のお気に入りで、よく披露していたという[8][注 3]。
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