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被子植物のうち、1枚の子葉を持つ植物 ウィキペディアから
単子葉植物(たんしようしょくぶつ)とは、被子植物のうち、1枚の子葉を持つことで特徴づけられている植物の一群のことであり、双子葉植物としばしば対比される。
単子葉植物は子葉が1枚の植物をいい、これに対して子葉が2枚ある植物を双子葉植物とよんでいる[1]。世界には約5万種の単子葉植物が知られており、そのほとんどは草本であるが、ヤシ類やタケ・ササ類などの一部の種は木本状になるものがある[1]。これらの単子葉植物の茎や根は木質化するが、形成層を持たないためある程度までしか太くならず、一般的な樹木のように年輪を作ることもない[1]。
分子系統解析の知見によれば、単系統群である単子葉類に対し、被子植物から単子葉植物を除いた双子葉類は側系統群である。被子植物の進化の初期に、原始的な被子植物のいくつかのグループが分岐し、その後に単子葉植物が分岐した。単子葉類と姉妹群を作るのが、真正双子葉植物 (eudicots) である。
双子葉植物に比べ、単子葉植物は、形態に共通点が多い。
単子葉植物は、その大部分が草本であり、木本になるものが少ない。茎の断面を見ると、維管束が点在し、維管束が環状に並ぶ双子葉植物とは異にする[1]。ヤシ、センネンボク(ドラセナ)などの樹木では、材の構造が双子葉植物などのそれと、かなり異なっており、維管束が散在する「不斉中心柱」をつくる。また、根についても主根がはっきりしない、ひげ根ばかりのものが多い[1]。
葉の形は基本的に細長く、葉脈が平行脈であることも共通する特徴の一つである[1]。ただし、サトイモ科やオモダカ科などの例外はある。細く立った葉は、周囲の様々な方向からの輻射光を受けるのに有利と考えられ、双子葉植物の葉が水平に広がって直射光を受けるのに特化しているのと対照的である。このような構造は草原において有利なようで、単子葉類が優占する草原は数多い。
花は、外花被3、内花被3が基本で、花弁が6枚に見えるもの、あるいは萼3枚花弁3枚に見えるものが多い。あるいは、それらの倍数のものも多い。
植物の科の中で最も多くの種が知られているラン科は、花や種子の構造が特殊化しており、虫媒花、風散布種子として特に進化したものと考えられている。
一方、イネ科は単子葉植物の中で2番目に多くの種が記載されている科であり、多くの有用植物を含む、重要な科である。カヤツリグサ科と共に、風媒による受粉を行う方向へ二次的に進化したもので、花弁は退化し、いくつもの花が包につつまれて1つの花のような形に進化したもの(小穂)を付ける。
また、海水中に進出した種子植物(海草)はすべてこれに含まれる。
単子葉類は11目からなる。キジカクシ目の姉妹群として4つの目を含むツユクサ類を設定している。過去のAPGではサクライソウ科およびダシポゴン科は系統の詳細が不明であり、特定の目に属していなかったが、2009年に公開されたAPG IIIにおいて、サクライソウ科のみが属するサクライソウ目が設置され[2]、2016年のAPG IVにおいてダシポゴン科はヤシ科の姉妹群としてヤシ目に置かれた[3]。
(並びはアルファベット順)
単子葉類 |
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5つの亜綱を立てている。
亜綱を立てていない。ラン目が最も進化の進んだものであるとして、単子葉植物の末尾に位置させている。
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