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『卒業II 〜Neo Generation〜』(そつぎょうツー ネオ・ジェネレーション)は、1994年5月27日にジャパンホームビデオ(JHV)より発売されたPC-9800シリーズ対応の育成シミュレーションゲーム。1992年発売の前作『卒業 〜Graduation〜』同様に、多数の家庭用ゲーム機に移植され32ビットゲーム機黎明期の代表的なギャルゲーとなったことで知られる。
ジャンル | シミュレーション[1][2][3] |
---|---|
対応機種 |
PC-9800シリーズ PCエンジン(SUPER CD-ROM²) PC-FX セガサターン プレイステーション 3DO Windows 95 |
発売元 |
[PC-98] ジャパンホームビデオ [PCE[1]・FX・SS[2]・PS[3]] リバーヒルソフト [3DO] 北部通信工業 [Win] ゲームバンク |
発売日 |
[PC-98] 1994年5月27日 [PCE[1]・FX] 1994年12月23日 [SS[2]] 1995年8月11日 [PS[3]] 1995年10月27日 [3DO] 1995年11月22日 [Win] 1996年3月 |
レイティング |
ソフ倫: 18禁(※後にR指定へ緩和) [3DO] 16歳未満不適 家庭用は3DO版を除き全年齢 |
キャラクター名設定 | 設定可 |
キャラクターボイス | 主要キャラのみ |
CGモード | なし |
音楽モード | なし |
回想モード | なし |
メッセージスキップ | なし |
オートモード | なし |
備考 | PC-FX版は『卒業II FX』、3DO版は『卒業II 〜Neo Generation〜 SPECIAL』 |
前作と同様、教師である主人公が清華女子高等学校に所属する5人のそれぞれに個性的な問題児を指導し、生徒たちを無事に卒業させる内容となっている[4]。各生徒のもつ能力に応じてイベントの発生や卒業後の進路決定に影響を及ぼすシステムとなっている[4]。
前作からの続編に相当し、前作では各生徒に対し一律な指導を行うことができなかったシステムが本作で改良されている[5]。さらに生徒の座席の位置を変更させられるようになり、それにより隣り合った生徒間での相性や座席の前後関係による指導効率が変化するようになった[5]。また、主人公に対して生徒から抱かれる「好意」と「敬意」のパラメータが別々に設けられるようになった[4]。本作に登場するキャラクターの名前はクレージーキャッツのメンバーに由来している[5]。
PC-FX版では、パソコン版やPCエンジン版と大きく異なるアレンジが加えられている。画面上のパラメータ表示を減らし、生徒の表情と台詞などの微妙な変化から推察し、彼女たちの心理状態を読み取るようになっている。それによってビジュアルも大量に追加されており、オリジナルキャラとして校長先生が追加された。[6]
JHVは1993年にコンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)へ加盟したが、それに伴う倫理審査で本作は「未成年者の飲酒・喫煙」表現(パラメータの低下で非行化した生徒が行う)を理由に18歳未満販売禁止指定となった。性表現以外の理由を主として18歳未満販売禁止指定が下されたのは本作が初めてであったが、JHVはこの指定に反発してソフ倫脱退を決意。しかし、1994年当時は現在と異なり倫理審査を受けない状態では流通上、極めて不利な取り扱いを強いられることから最終的にこれを断念せざるを得なかった。後にソフ倫側は妥協案として将来的な「R指定(15歳未満販売禁止)」の新設を提示。これに伴い、本作は18禁指定で発売された1ヶ月後の6月27日にR指定へ緩和された。
もっとも、この18禁指定に対しては「文脈上、非行防止の観点から描かれているのは明白であるにもかかわらず、杓子定規的に一場面のみを取り上げる形での18禁指定は問題ではないか」との批判が多かった。実際に、指定以前に誌面で扱っていたということもあるが、原則的には18禁ゲームの積極的な掲載をしていなかったマイコンBASICマガジンも、本作の紹介記事を載せている。これに対し、家庭用では最後発の3DO版が「16歳未満不適」であるのを除き全機種とも特に対象年齢の指定は行われていない。ただし、プレイステーション版は問題となったイベントの多くが別のイベントに差し替えられている。
洋泉社が発行した『アニソンマガジン』のゲームソングレビュー集のなかでライターの夏葉薫は、主題歌「卒業Ⅱ攻略法」の歌詞では前作『卒業 〜Graduation〜』の主題歌と同じくゲームの攻略方法について表現されていると指摘し、「前作そのままに、キャラクターの掛け合いを充実させた完全版」の楽曲であると評価した[7]。さらにゲーム作品についてはコンシューマーゲーム機でプレイ可能な美少女ゲームの走りとなった作品としている[7]。
ゲームに関する情報・ニュースサイト「4Gamer.net」において『卒業II』は前作からの改良点によりライターのgingerは「ゲーム性も向上している」[4]、ライターの柿島真治は「より学校らしい形になっている」と[5]それぞれ肯定的な評価を与えた。一方で、柿島は週末にも生徒の指導が可能となった仕様変更に関して「生徒にしてみればずっと先生に指導されっぱなし。ちょっと微妙」と批評した[5]。
また、PCエンジン版については『ファミ通』315号のクロスレビューで23点[1]、セガサターン版については『ファミ通』349号のクロスレビューで26点をそれぞれ獲得している[2]。
とまとあき・塚本裕美子共著、こばやしひよこ・画。角川スニーカー文庫刊。
1. | 春・絶対ブルー | 1994年3月1日初版 ISBN 4044121087 |
2. | 夏・空があれば | 1994年8月1日初版 ISBN 4044121095 |
3. | 秋・それなりにメランコリー | 1994年12月1日初版 ISBN 4044121109 |
4. | 冬・シグナルブルー | 1995年5月1日初版 ISBN 4044121117 |
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