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動物命名法国際審議会 (どうぶつめいめいほうこくさいしんぎかい:International Commission on Zoological Nomenclature, ICZN)とは、動物の学名命名における安定と意義をもたらすことを目的とする審議会であり[1]、動物の学名の規範となる国際動物命名規約の著者である。
「学名」の起点となるリンネの『自然の体系』第10版が1758年に出版されて一世紀以上が過ぎると、学名の命名法について国際的な基準が必要であることは明白になっていた[2]。
1889年、世界初の国際動物学会議がパリで開催された際に早速この問題に対しての議論が行われ、実際にその基準を成文化するためにライデンで開催された第3回国際動物学会議において5名の動物学者が委員として任命された。これが動物命名法国際審議会の始まりであり、1895年9月18日のことであった[3]。審議会はその後、さらに10名の委員を補充して草案を検討し、第5回国際動物学会議(ベルリン、1901年)での採択を経た法典が『萬国動物命名規約』(Règles internationales de la Nomenclature zoologique) として1905年に出版され、動物命名に関する初の国際基準となった[4]。
『萬国動物命名規約』はその後、新規約である『国際動物命名規約』(International Code of Zoological Nomenclature) にその役目を移行して今に至るが、動物命名法国際審議会がその制定を司っていることには変化はない。1972年の第17回国際動物学会議において、国際動物命名規約と動物命名法国際審議会規則に関する権限と職務が国際生物科学連合 (International Union of Biological Sciences, IUBS) に委任された[4][5]。現在、動物命名法国際審議会は国際生物科学連合の傘下に置かれている。
審議会の役割は動物命名における国際基準の維持であり、命名学上の関連がある場合を除いて分類上の問題には一切関与しない[6]。
実際の活動は主に以下の2つに大別される。
上記のように、審議会の活動の重要な部分として、命名学上の問題に対する強権発動がある[7][8]。以下にいくつかの実例を挙げる。
動物命名法国際審議会は、通常18名、もしくは審議会が定めるそれ以上の人数から構成される[14]。2009年現在、審議会の委員は19カ国から選出された28名からなる[6]。委員の選出は、IUBS総会もしくは他の国際会議において、そこに出席した動物学者による投票によって行われる[6]。委員は動物学のいずれかの分野で顕著な功績があり、動物命名法に関心を持っている著名な科学者であることをその資格とし、国籍は問われない[15]。委員への推薦は事務局で常時受け付けている[6]。
2009年現在の委員会役員は以下の3名である[16]。
2009年現在、委員が選出されている19カ国とは、スペイン・イタリア・ロシア・フランス・南アフリカ・アメリカ・日本・オーストラリア・スイス・スウェーデン・ペルー・マレーシア・シンガポール・デンマーク・ハンガリー・チェコ・オランダ・ニュージーランド・中国であり、そのうち日本の研究機関から選ばれているのは以下の2名である[16]。
審議会の業務を補佐するための事務局が、ロンドン自然史博物館の古生物学部門に置かれている[6]。事務局は4名の事務員によって構成されており、案件・批評・意見書の保存と、『動物学命名法雑誌』の制作に関わっている。加えて事務局は、一般的な問い合わせはもちろんのこと、委員の選出、規約の改正、基金やその他の財政上の連絡などなど、審議会と比較してより広い組織上・手続上の問題を取り扱っている[17]。
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