前頭側頭型認知症
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前頭側頭型認知症(ぜんとうそくとうがたにんちしょう、英: Frontotemporal dementia、FTD)は前頭側頭葉変性症 (FTLD) の臨床症状である[1]。アルツハイマー型認知症 (AD)、脳血管性認知症 (VaD)、レビー小体型認知症 (DLB) とともに「四大認知症」の一つとされる[2]。もともとはピック病(Pick's disease)と呼ばれていた[3]。初期段階では認知機能は比較的保たれており、パーソナリティと行動の変化が特徴的である[3]。
Frontotemporal dementia | |
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概要 | |
診療科 | Neurology, psychiatry, and neuropsychiatry[*] |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | G31.0 |
ICD-9-CM | 331.19 |
OMIM | 600274 105550 614260 |
DiseasesDB | 10034 |
Patient UK | Frontotemporal dementia |
MeSH | D003704 |
GeneReviews | |
FTDは、脳の一部(前頭葉や側頭葉)にたんぱく質がたまり、組織が萎縮するなどした結果、脳内で行動を抑制する部分が傷つく認知症である[4][5][6]。主に前頭葉と側頭葉の両方あるいは片方を巻き込んで神経細胞の脱落が進行すること、そして紡錘形神経細胞(spindle neuron)の典型的には70%以上が脱落するのに対して他の種類の神経細胞は無傷であることが特徴である[1]。行動の変化や脳の画像検査から診断する。本人が問題行動を自覚し、悩む場合も少なくない[4][2]。
有病率は、非可逆的認知症のうち5%を占める[3]。徴候や症状は成人後期に、より一般的には55歳から65歳の間に現れる[7]。他の認知症と比べると、50代など若年層でも発症するケースが比較的多い[5][6]。2002年発表の研究によると、若年層で発症した認知症患者に限定すると2割がFTDとされ、これはアルツハイマー型認知症 (AD) に次いで第2位である[8]。男性と女性はほぼ等しく発症する。地域や社会とのつながりが少なくなり、刺激のない生活を送ると症状が悪化してしまう傾向がある[5]。
現在のところ原因は不明であり[3]、治療させる方法や、進行を遅らせる方法は見つかっていない[7]。FTLDは2015年に厚生労働省により難病法の指定疾患に認定された[注 1]。