- * 第4.5世代機。F-15Eを対空戦闘重視に再設計し高機動化した機体で、ボーイング社より提案中。6機の中で最もデメリットが少ない。また、6機の中では最も設計が古い機体でもある。
- F-15Dと外形はほぼ同じだが、改造によって内部構造にほとんど共通点はなくなっている。それゆえ、ライセンス生産前に完成機の分解調査を行う必要がある。
- F-15最大の特徴である時代に合わせたアップデートが出来る事と最新鋭装備が奢られている為、戦闘力としては申し分ないが、F-15シリーズそのものがF-22の登場で近々型落ちになる可能性もある。
- RCS(レーダー断面積)が他の候補に比べてあまりに大きく、レーダーを駆使した現代の戦闘では圧倒的に不利である。もしも、RCSを削減するならば、大幅な改修と多くの費用や時間がかかってしまう。
- F-15Eは戦闘爆撃機として設計されており、F-15Jに比べ翼面加重は確実に増大する為、低空域での機動性の低下が問題となる可能性がある。ただし、対Gに関しては7Gから9Gに引き上げられており、グラスコクピットやJHMCSが使用可能という利点もある。
- 韓国空軍もF-15EをベースとしたF-15Kを導入している為周辺諸国の戦力対応としての不安が残る。
- F-15Jとは違い複座型である為、WSO(兵器技術士官)を搭乗させる必要があり、人件費及び訓練に関してのコストが高くなってしまう。もっとも、現行のF-4は複座であり、単座化はパイロット人員の削減に直結する可能性がある。
- * 第4.5世代機。亜音速域で良好な運動性を持つ。最新アビオニクスが搭載されている。
- F/A-18C/Dが諸コストの高さでFSX商戦で敗れている。
- 導入経験のない艦載機であり、航空自衛隊の機体として扱うには不要な装備がある(これもコストの高さの一因になっている)。
- 加速性能・航続性能について問題があり、要撃機としては不向きと言われている。
- 他機種と比べ騒音が比較的大きい。
- 給油装置がプローブアンドドローグ方式である為、発注済のKC-767Jのフライングブーム方式とは合わない。そのため、アタッチメント(アタッチメントで簡単に変更できる)を追加発注する必要がある。
- * 欧州の第4.5世代機。アフターバーナーなしでのスーパークルーズに対応しており、F-22A程のステルス性能ではないものの、RCS(レーダー断面積)がF/A-18E/Fやラファールよりも小さいとされる。
- 日本でのライセンス生産のほか、国産機器(アビオニクス等)を搭載するための改造が大幅に許容されるという動きがある。また、日英の企業間で生産ライセンス供与に向けた交渉が進んでいるとの報道もある。ただし、開発各国政府の輸出許可についてなどの公的な発言はまだない。
- 国産機器が搭載出来ることはアメリカ機にあるアメリカ製機器のコストの高さやアメリカ側の輸出規制に依存しない、という意味でアメリカ機よりも有利と受け取れる。また、輸出規制に引っかかる等してアメリカ機の選定が不能になった場合には一番有利な機体である。
- これまで空自に導入経験のない欧州機であり、整備面などで不安が残る。しかし、アビオニクス等については国産品が使用できる為、後述のラファールよりは有利とも言える。
- 性能面で、今後航空優勢を維持出来るかに疑問が残る。
- 前述のF/A-18E/Fと同様に給油方式がプローブアンドドローグ方式である。
- 搭載エンジンのEJ200は騒音が比較的大きい。
- * フランスの4.5世代機。元々は前述のユーロファイターをフランスが諸事情から蹴って独自開発した機種である。
- ユーロファイター同様、これまで空自に導入経験のない欧州機であり、整備面などで不安が残る。
- 国産機器搭載許可が出されていない。
- アフターバーナーなしでのスーパークルーズに対応しているが、RCS(レーダー断面積)はユーロファイターより大きい。
- 性能面で、今後航空優勢を維持できるかに疑問が残る。
- * 第5世代機。F-22以外の他機に比べ、ステルス性が高い(と言われている)。
- ステルス性を維持した状態では現状、中距離空対空ミサイルを2発しか搭載出来ず、数の劣勢をカバーしきれない可能性がある。ただし、爆弾架の部分に装着するタイプのラックを開発中であり、ウエポンベイに装着すれば4-6発の空対空ミサイルを搭載可能になる予定である。
- 2009年度までとなる中期防に間に合わない。また、そもそも開発計画に参加していないため、購入するためには、開発計画に参加した国への配備が終了した後(2010年代後半か?)になる。
- 開発の遅れにより、価格は当初より高騰中である。また、国際共同開発であるため、F-22以上にライセンス生産の可能性は低い。
- * 第5世代機。高いステルス性、スーパークルーズ性能を持つ事から、「航空支配戦闘機」と米軍が名付けた戦闘機/戦闘攻撃機。
- 他の候補と比較しても圧倒的な戦闘能力を持つため、日本政府は有力候補として、アメリカ側に輸出解禁を求めている。
- 現在、F-22Aの海外への輸出禁止条項が米国内に有り、輸出解禁法案も一度否決されているため、輸出される見通しが立っていない。
- 日本政府は、国内航空産業の製造・技術基盤の維持という観点から、機体のライセンス生産が望ましいとしているが、米政府内に技術流出(及び、自衛隊での情報漏洩事件)を危惧する声があるため難しく、完成品輸入の場合、部品の調達や技術情報の制限から稼働率が大幅に低下する可能性がある。
- 高価であるといわれているF-15以上に価格が高い機体であるため、たとえ将来価格が下がったとしても、必要数をそろえ運用するには今まで以上に莫大な費用がかかることになる。
- 国産機器であるAAM-4やAAM-5を搭載するには、対象となるミサイル、F-22、どちらかの機体改造が必要となるが、F-22側の改修はコストはもとより技術的側面からも困難である上、技術流出の観点などから米側が認めない可能性がある。