仏教美術
仏教信仰に基づいた礼拝対象、あるいはそれら活動のための美術 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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仏教美術(ぶっきょうびじゅつ)は、仏教信仰に基づいた礼拝対象、あるいはそれら活動のための美術の総称である[注釈 1]。これらには、仏陀や菩薩、実在・伝説上の尊格や尊者、祖師、または彼らの生涯(仏伝図)や伝説を描いたもの、曼荼羅や修行のための図像、さらに、ストゥーパや塔門、寺院などの建築や、金剛杵などの仏具が挙げられる[2]。本項においては、仏教に関する芸術のうち、おもに視覚的なものについて解説する。
仏教美術は、釈迦入滅以降のインド亜大陸で興り、仏法(ダルマ)と僧伽(サンガ)が拡がるのと同様、仏教が伝来したアジア各地で発展した(#インド仏教美術)。インド北部から中央アジアを経由して、東アジアへと至り、北伝仏教美術が生まれた一方(#北伝仏教美術)、東南アジアでは主に南伝仏教の美術が生まれた(#南伝仏教美術)。インドでは、先行するバラモン教の理論を取り入れ[3]、ヒンドゥー教やジャイナ教とともに洞窟寺院をつくったように、各地でも、在来宗教を取り込み、独自の発展をした[4][5]。
日本語においては、明治期の日本で行われた欧米的な美術教育において「美術」の概念、およびその下位概念である「絵画」・「彫刻」・「工芸」が新たに輸入・導入されたことにより、仏像・仏画・仏具が日本美術のなかで仏教美術として捉えられるようになった(日本美術史)[6]。