ルサルカは還らない
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『ルサルカは還らない』(ルサルカはかえらない)は、御厨さと美による日本の漫画作品。『MANGAオールマン』(集英社)において、1996年から1998年まで掲載され、SCオールマンより全5巻が刊行された。
ソビエト連邦の崩壊後の国際情勢を、SF的装置を取り入れて描いたスパイアクション。長いブランクの後に発表された作品である。IMF体制の内幕を暴露するなど現実の国際政治に対する分析は詳細であり、日本の外交・安全保障などについての著者の主張が強く打ち出される面もある。しかし、作中人物が、「核がなければ中国軍は北朝鮮軍以下の田舎者集団」と、作品発表当時すでに活発化し始めた中国人民解放軍の増強傾向を無視した発言をする等現在から見るとかなり時代錯誤的観点も見受けられ(ただし、例示されている右台詞は、作中の北朝鮮軍将校による発言であり、必ずしも作者の見解と一致しているとは限らないことは留意すべきである)、最終的にはヒーローたちが権力者の国際謀略に挑むという冒険活劇になっている。[要出典] 作者が発表の14年前に構想を得た時には、ソ連の崩壊と周辺国への影響を描いた小説として執筆される予定だったが、その後の世界情勢とともに内容の変更を余儀なくされ、まず劇画での発表となった(第1巻あとがき)。国際政治の裏側側面に触れすぎたことによる集英社側の配慮か小説化の予定は実現せず、また御厨さと美もこの作品後は大阪の不動産業界で働く女性を主人公にしたなんぼやねんを執筆したのみで、現在活動は停止、再び長いブランク状態に戻っている。