リン酸トリクレジル
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リン酸トリクレジル (Tricresyl phosphate = TCP) は、3つの異性体が混合した有機リン酸化合物で、難燃剤として、またラッカーおよびワニスの製造で可塑剤として最もよく使われる。無色で粘性のある液体だが、市販品は通常黄色である。水にはほとんど溶けないが、トルエン、ヘキサン、ジエチルエーテルなどの有機溶媒には溶けやすい。TCPは、1854年にアレクサンダー・ウィリアムソン (Alexander Williamson) によって、クレゾール (メチルフェノールのパラ-、オルト-、メタ- 異性体の混合物) と五塩化リンから合成された。しかし、今日の製造者は、塩化ホスホリルまたはリン酸と、クレゾールから製造することができる。構成クレゾールがすべてオルト異性体のTCPは、多くの急性中毒の原因物質である。その慢性毒性も懸念される。オルト異性体は非常に毒性が高いため、異性体の純度を必要とする実験室での研究以外では、単独で使用されることはめったになく、TCPを含む工業製品には含まれていない。
概要 リン酸トリ-o-クレジル, 識別情報 ...
リン酸トリ-o-クレジル | |
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別称 TOCP | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 78-30-8 |
PubChem | o-: 6527 |
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特性 | |
化学式 | C21H21O4P |
モル質量 | 368.36 g mol−1 |
外観 | 無色液体 |
融点 |
−40 °C |
沸点 |
255 °C (10mmHg) |
危険性 | |
GHSピクトグラム | |
GHSシグナルワード | 危険(DANGER) |
Hフレーズ | H370, H411 |
Pフレーズ | P260, P264, P270, P273, P307+311, P321, P391, P405, P501 |
NFPA 704 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
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