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ヨモギ属(ヨモギぞく、蓬属、学名: Artemisia)とは、キク科の属の1つ。学名からアルテミシア属ともいう。
葉の白毛のあるものが多い。また、頭状花は小さいものを多数つける。花弁(実際には舌状花)の目立たない花なのは、風媒への適応である。また、多くの花が下向きに咲くのも、花粉をこぼしやすいように進化したと見られる。乾燥地、砂漠、高山などの荒れた地域に出現するものが多く含まれ、昆虫の少ない環境への適応として、風媒花へと進化したものと考えられる。種類が多く、区別が難しいものもある。一説には、比較的新しい時代に種分化したためとも言われる。
テルペノイドなどの薬用成分を有するものが多く、医薬品や香料などに用いられるものが多い。食用とされるものもある。他方、風媒花であり、多くの花粉を風に飛ばすため、花粉症の原因となることも知られている。
学名 Artemisia はペルシャの王妃アルテミス、あるいはギリシャ神話の月の女神アルテミス(元元は古代アジアの同名の女神、ローマ神話ではディアーナ、英語名ダイアナ)に由来する。英語でヨモギ類を指す「アルテミシア」(Artemisia)とは、潔癖の処女神アルテミスからとられたものである。
北半球の温帯を中心に約250種が分布する。ただし分類学的には難しい部分も多い。平地から高山、海岸や砂漠からも知られ、高山の種は白い綿毛を持つことから観葉植物的に栽培されることもある。また、特殊な香りを持つものはそれを利用されているものもある。ヨモギなどが薬用、食用とされるほか、アサギリソウなど高山植物的な種を中心に観賞用に栽培される。アサギリソウは香辛料として用いられる以外にも、世界で最も強い酒といわれる「アブサン」の原料にもなっている[1]。
日本では30種以上が知られる。
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