ボヘミア・モラビア共産党

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ボヘミア・モラビア共産党

ボヘミア・モラビア共産党(ボヘミア・モラビアきょうさんとう、チェコ語: Komunistická strana Čech a Moravy; KSČM)は、チェコ共和国左派政党。中央委員会議長(党首)はカテジナ・コネチュナー英語版(2021年-)。なお日本外務省日本共産党チェコ・モラビア共産党日本語訳を使用している[9][10]

概要 ボヘミア・モラビア共産党 Komunistická strana Čech a Moravy (KSČM), 中央委員会議長 ...
 チェコ政党
ボヘミア・モラビア共産党
Komunistická strana Čech a Moravy (KSČM)
Thumb
中央委員会議長 カテジナ・コネチュナー
成立年月日 1989年
前身政党 チェコスロバキア共産党[1]
本部所在地 Politických vězňů 1531/9, Nové Město (Praha 1), 110 00 Praha[2]
代議院議席数
0 / 200   (0%)
(2024年3月)
元老院議席数
0 / 81   (0%)
(2024年3月)
党員・党友数
49000名
(2015年3月[3]
政治的思想・立場 左翼[4][5] - 極左[6][7]
共産主義[1][8]
マルクス主義
機関紙 ハロー・ノビニ
シンボル Thumb
国際組織 欧州左翼党(オブザーバー加盟)
公式サイト Komunistická strana Čech a Moravy
欧州議会の政治会派欧州統一左派・北方緑の左派同盟
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概要

1989年、チェコスロバキア共産党の組織を連邦化するため、ボヘミアおよびモラビアを基盤とする下部組織として結成された。

1990年に、チェコスロバキア共産党は正式にボヘミア・モラビア共産党とスロバキア共産党(KSS)に分かれた(後にKSSは、社会民主主義を志向する民主左翼党(SLD)に党名を変更[11]。また1992年にはチェコスロバキアの連邦自体も解体した)。

2015年3月時点で党員数4万9千名で、欧州議会内では欧州統一左派・北方緑の左派同盟に属する。ポスト共産主義の東欧諸国において、1989年以降に党綱領を改正したが、党名に共産主義を残している唯一の政党である[12]年金生活者などの高齢層や地方居住者を主な支持基盤としている[13]。チェコにおける広域自治体は14(首都プラハと13県)あるが、うち9自治体ではチェコ社会民主党と共に与党となっている(2014年6月現在の数字)[14]

政策

長期的目標として、社会主義的システムへの変化を掲げている他、新自由主義政党であるODS(市民民主党)に対する対決姿勢を明確にしている。以下に個別分野におけるKSCMの立場を紹介する。

出典:[15]

党勢推移

要約
視点

下院選挙

1992年の連邦解体前、最後の選挙に他の左派政党と選挙リストを組んで左翼ブロック(Levý blok)として参加し、得票率14.05%で35議席を獲得した。

連邦解体後の初の総選挙となった1996年下院選挙において得票率10.33%で22議席、1998年選挙では11.03%で24議席を獲得し、議会第3党の地位を維持した。続く2002年下院選挙では市民民主党(ODS)やチェコ社会民主党(ČSSD)など諸政党が軒並み支持を減らした中、二大政党のなれ合い批判や新規雇用創出や労働条件向上、福祉水準の向上などを訴え、失業者や年金生活者、労働者を中心に支持を拡大。18.5%の得票で41議席(前回比+17議席)を獲得し、議席率で20%を超える躍進を遂げた[16]

しかし2006年下院選挙では、ODSおよびČSSDに次ぐ第3党の地位を維持したが、12.8%の得票で26議席に減少し、前回選挙と比べた支持の下落は党指導部を失望させた。下院の任期満了に伴って行われた2010年5月の下院選挙では得票率を前回よりやや減らしたものの、前回議席を維持。任期を前倒しする形で行われた2013年10月の選挙では得票率と議席を共に増やすことに成功した。2017年10月の選挙では得票率と議席を大幅に減らした。

2021年10月の選挙では得票率が議席獲得に必要な5%に満たず、はじめて議席獲得を逃した。この責任を取ってフィリプが中央委員会議長を辞任し[17]欧州議会議員のカテジナ・コネチュナーが後任となった[18]

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得票および議席数の推移
選挙 得票数 得票率 議席数
1992年選挙 909,490 14.05% 35
1996年選挙 626,136 10.33% 22
1998年選挙 658,550 11.03% 22
2002年選挙 882,653 18.51% 41
2006年選挙 685,328 12.81% 26
2010年選挙 589,765 11.27% 26
2013年選挙 741,044 14.91% 33
2017年選挙 393,100 7.76% 15
2021年選挙 193,817 3.6% 0
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※1992年は左翼ブロックとしての得票および議席数である。

上院選挙

上院は2年毎に3分の1(27議席)を改選する。2014年の選挙以来、議席獲得からは遠ざかっている。

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選挙 議席数
1996年選挙 2
1998年選挙 2
2000年選挙 0
2002年選挙 1
2004年選挙 1
2006年選挙 0
2008年選挙 1
2010年選挙 0
2012年選挙 1
2014年選挙 0
2016年選挙 0
2018年選挙 0
2020年選挙 0
2022年選挙 0
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欧州議会選挙

2004年6月、チェコにおける初めての欧州議会選挙で24議席中6議席を獲得し、第2党になった。2009年選挙では定員22のうち4議席(得票率14.18%)を獲得、第3党となった。3回目となる2014年選挙では中道右派系の新党であるANO2011やTOP09が躍進した影響を受け、定員21のうち3議席の獲得に留まり、第4党に後退した。

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得票および議席数の推移
選挙 得票数 得票率 議席数
2004年選挙 472,862 20.26% 6
2009年選挙 334,577 14.18% 4
2014年選挙 166,478 10.98% 3
2019年選挙 164,624 6.9% 1
2024年選挙 283,935 9.6% 1
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歴代党首

  • イジー・マハリーク(1990年)
  • イジー・スヴォボダ(1990年-1993年)
  • ミロスラフ・グレベニーチェク(1993年-2005年)
  • ヴォイチェフ・フィリプ(2005年-2021年)
  • カテジナ・コネチュナー(2021年-)

国際交流

日本における共産主義政党である日本共産党の第22回(2000年)[19]、第23回(2004年)[20][21]、第24回(2006年)[22]大会に来賓として参加している。日本共産党も2002年下院選挙でKSCMが躍進した際に、中央委員会名でKSCM中央委員会に躍進したことを祝う祝電を送っている[23]。また、2004年5月に行われたKSČM第6回党大会に日本共産党代表として、西口光常任幹部会委員・国際局長と伊藤知代国際局員の2名が参加、日本共産党中央委員会名のメッセージを手渡している[10]。なお同大会では40余の国からの代表が参加している。

脚注

参考文献

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