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ボタンウキクサ(牡丹浮草、Pistia stratiotes)は、単子葉植物サトイモ科に属する水面に浮かぶ熱帯性の水草である。熱帯地方に広く分布し原産地は南アメリカとも中央アフリカとも言われるが、詳しい原産地は不明。英名をウォーターレタス(Water Lettuce)という。
ホテイアオイのような、浮草になる水草で、水面上に葉を広げ、水中に根を垂らす。 葉は先の丸い、横長楕円形のものをロゼット状につける。葉は白緑色、表面にビロード状の柔らかい毛が一面にはえ[2]、よく水を弾く。葉は縦にひざ状のしわがある。葉には厚みがあり、内部には空洞が多い。つまり、葉それ自体が浮袋になっている。
株が小さいうちは水面に葉を平らに浮かべ、大きくなると葉はやや立ち上がり、サニーレタスのような感じの姿になる。株の下側からは多数の根が伸び、根は糸状で枝分かれせず、多数の髭根を伸ばす。株元から水面に匍匐茎を伸ばし、その先に子株を生じて無性生殖する。通常は無性生殖だが、花を咲かせて結実する有性生殖でも繁殖する[3]。
花は葉の隙間に咲く。白っぽい緑で目立たないが、小さいながらも仏炎苞の中に肉穂花序がつくという、サトイモ科の特徴的な花をつける。
日本には1920年代に観賞用として沖縄・小笠原に導入された[4]。美しい花は咲かないが、形の面白さと水面で育てられる手軽さのため、広く栽培された。
逸出して野生化した物が世界各国で帰化し、問題視されている。繁殖はとても速く旺盛で、水面を埋め尽くすほどで、その繁殖力から固有種植物を駆逐し環境破壊の一因となっている。また、ホテイアオイほど大きくはならないものの、同じように水面を覆いつくし、水路を塞ぎ、場合によっては大きな影響を与えることも指摘されている。
日本においても、関東以西で1990年代から広がり[4]、大阪の淀川など、大繁殖が問題となり駆除に手を焼いている地域が多い。このため、2006年2月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」に基づく「特定外来生物」に指定され[4]、学術研究などの特別な目的以外での栽培、保管、運搬が禁止された。もちろん、販売も禁じられているが、現在でもインターネットなどで取引されることが少なくない。
ウォーターレタスと言う英名が付いているが、食用にはならない。
一属一種である。サトイモ科としては例外的な水草であり、他に似たものがいないため、一種でボタンウキクサ亜科を構成する。
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