ホパノイド
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ホパノイド (Hopanoids) はトリテルペノイドの中で、ホパン骨格を持つ天然の五環式化合物である。最初に報告されたホパノイドはヒドロキシホパノンで、ナショナル・ギャラリーの2人の化学者が絵画のニスとして用いられるダンマル樹脂の研究中に単離したものである[1]。ホパンという名は、この樹脂が得られるフタバガキ科のHopea属から取られた(属名は植物学者ジョン・ホープに由来する)。ホパノイドは一部の陸上植物や菌類などの真核生物からも見つかっているが、細菌により広く分布していることが現在では知られている[2]。真核生物内では構造的に類似したステロイド(例えばコレステロール)の方が広く分布しており、ホパノイドの分布は限定的である。ホパノイドは地中で分解されにくいため、砂礫中や石油貯留層から様々な種類のものが発見されており、過去の地球の歴史においてバクテリアの存在およびその種類を示すバイオマーカーとして広く用いられている[3]。古細菌からは発見されていない[4][5]。