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プリムローズ・ヒル (Primrose Hill)はロンドンのカムデン区にある標高256フィート (78メートル)の小高い丘、およびその周辺地域の名称である。リージェンツ・パークのすぐ北にあり、ロンドン市街地を一望できる場所として、ロンドン屈指の高級住宅街として、また多くの音楽・映画・文学作品に縁がある場所として有名である。
プリムローズ・ヒルはリージェンツ・パークと同様に、かつてミドルセックスの森の一部だった。この一帯は英国王室の専用狩場だったが、ヘンリー6世が設立直後のイートン校にこの土地を与える。土地を授与されて以来、イートン校はこの土地を持てあまし、牧草地として放置していた。結局イートン校は1842年王室にこの土地を返却し、同年、プリムローズ・ヒルを含む一帯は法律によって公共のスペースとして規定された。現在のプリムローズは指定保護地域になっており、周辺にはヴィクトリア朝時代のテラス式住宅が建ち並び著名人が多く住むロンドン屈指の高級住宅街である。プリムローズ・ヒルを含む郵便番号 (NW1)の地域の平均不動産価格は約55万ポンド (2009年5月8日のレート£1=¥149.5で、約8千2百万円)。さらにプリムローズ・ヒル東隣Chalcot Squareの物件は約400万ポンド (約6億円)もする[1]。
プリムローズ・ヒルは現在の風光明媚でおだやかな印象に似つかわしくない血なまぐさい歴史ももつ。多くの殺人事件がプリムローズ・ヒルで発生しており、特に有名なのは1678年10月に発生した奇妙なEdmund Berry Godfrey殺人事件である。またこの丘は決闘の場所としての歴史ももっており、1843年にイングランド最後の決闘の舞台にもなっている。
プリムローズ・ヒルはかつて「グリーンベリー・ヒル」と呼ばれていたが、17世紀に時の権力者がこの丘に咲く桜草(プリムローズ)にちなんで「プリムローズ・ヒル」と名付けた。
プリムローズ・ヒルは昔から音楽に縁がある場所である。例えば、作者不明の"The Sweet Salutation on Primrose Hill: Or, I Know You Not"という曲があったと1685年出版の書籍に記述がある。ここではプリムローズ・ヒルに縁がある主な音楽作品を紹介する。
プリムローズ・ヒルには著名映画人が住居を構えているほか、映画自体にも舞台として登場する。
またBBC制作のSFテレビドラマ『ドクター・フー』の「The Sound of Drums」というエピソードにも登場した。
プリムローズ・ヒルはマザー・グースに"As I Was Going Up Primrose Hill"というタイトルがあることからも分かるとおり、 多くの文学作品を紹介する。以下、代表的な作品を紹介する。
プリムローズ・ヒルは前述のように多くの著名人が過去に、または現在も居を構えている。特に「1990年代中盤〜後半にかけて有名になり、プリムローズ・ヒル周辺に居を構えた人たち」を指して「プリムローズ・ヒル・セット」 (Primrose Hill set) と呼ぶことがある。プリムローズ・ヒル・セットに含まれていると考えられているのは、
などである[4]。「プリムローズ・ヒル・セット」以外の著名な住人は以下の通り。
プリムローズ・ヒルへのロンドン地下鉄の最寄り駅は以下の4駅である。
なおPrimrose Hill Railway Stationは1992年に廃止された。
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