フラン (化学)
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フラン(英: furan)は、4個の炭素原子と1個の酸素原子から構成される複素環式芳香族化合物である。分子式 C4H4O、分子量 68.07 で、CAS登録番号は[110-00-9]。フランはIUPAC命名法における許容慣用名で、系統名では1-オキサ-2,4-シクロペンタジエンである。環の一部にエーテル結合があるため環状エーテルでもある。可燃性の無色透明の液体で、沸点が室温に近いため揮発性が非常に大きい。消防法に定める第4類危険物 特殊引火物に該当する[2]。
概要 フラン, 識別情報 ...
フラン | |
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フラン(許容慣用名) | |
別称 Oxole, furfuran, furane (misspelling),[1] divinylene oxide, 1,4-epoxy-1,3-butadiene, 1,4-epoxybuta-1,3-diene | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 110-00-9 |
PubChem | 8029 |
ChemSpider | 7738 |
KEGG | C14275 |
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特性 | |
化学式 | C4H4O |
モル質量 | 68.07 g/mol |
外観 | 無色透明の揮発性の液体 |
密度 | 0.936 g/mL |
融点 |
-85.6 °C, 188 K, -122 °F |
沸点 |
31.4 °C, 305 K, 89 °F |
危険性 | |
引火点 | -35 °C, 238 K |
関連する物質 | |
関連する複素環式化合物 | ピロール チオフェン |
関連物質 | テトラヒドロフラン (THF) 2,5-ジメチルフラン ベンゾフラン ジベンゾフラン 2-フロ酸 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
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五員環であるが、酸素原子に孤立電子対がありヒュッケル則を満たすため芳香族性を有する。
フランの親化合物はペントース含有材料の熱分解、特に松脂の乾留で得られる。パラジウム触媒を用いて水素化すると有機溶媒などに使われるテトラヒドロフランが得られる。