フォルスラコス科
ウィキペディア フリーな encyclopedia
フォルスラコス科(Phorusrhacidae)は、肉食性の巨大な飛べない鳥の科。恐鳥類として知られている。6200万年前から180万年前にかけて南アメリカ大陸に生息し、当時の頂点捕食者の中では最大の生物だった[1][3]。
フォルスラコス科 | ||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ティタニス・ワレリの復元骨格 フロリダ自然史博物館所蔵 | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
科のシノニム
|
最も近縁とされる現代の鳥類は背丈80センチメートルであるが、フォルスラコス科の背丈は1 - 3メートルであった。最大の種はティタニス・ワレリで、アメリカ合衆国テキサス州およびフロリダ州から化石が出土している。これにより、フォルスラコス科はパナマ地峡の形成に伴ってアメリカ大陸間大交差の最中に唯一北アメリカ大陸へ進出した南アメリカ大陸の捕食動物であることになる。交差の主要な動きは約260万年前に始まり、ティタニスは初期に当たる500万年前に移動していた[4]。
かつてティタニスはヒトが北アメリカ大陸に到達する頃に絶滅したと信じられていた[5]が、ティタニスの化石からは180万年前以降にティタニスが生存していた証拠はなく[6]、ヒトの到来よりも遥か以前に絶滅を迎えていた。ただし、9万6000年前のプシロプテルスや1万7000年前の未同定種がウルグアイで発見されており[7][8]、フォルスラコス科が更新世後期というごく最近まで生存していた可能性が示唆されているが、これに関しては議論が続いている[9]。
フォルスラコス科はアフリカ大陸に分布していた可能性もある。本当にフォルスラコス科であるかは疑問であるが、ラヴォカタヴィスがアルジェリアで発見されている[10]。ヨーロッパでもフォルスラコス科の可能性があるエレウテウオルニスが発見され、フォルスラコス科が暁新世に地理的に広く分布したことが示唆されている[11]。
始新世から中新世にかけてはバトルニス科の鳥類が北アメリカ大陸で同様の生態的地位を占めており、パラクラックスはティタニス・ワレリと同等の体躯であった[12][13]。顎や烏口骨の形態に基づいてバトルニス科をフォルスラコス科の姉妹群とする分析もある[14]が、個別に地上性の肉食鳥類に進化したという見解もあり、両者の関連性について議論がなされている[15]。